公開日 2014年11月21日
9月15日に鹿児島大学で行われた日本地質学会第121年学術大会で、自然科学系理学部門の奈良正和准教授と大学院総合人間自然科学研究科理学専攻1年の今井悟さんのポスター発表題目「中新統三崎層群竜串層にみられる浅海性津波堆積物とその堆積過程」が優秀ポスター賞に選ばれました。
本研究で両者は、高知県土佐清水市に分布する中新統三崎層群竜串層の外洋性浅海堆積物中に見られる188足球直播_篮球比分¥体育官网堆積物を対象に、岩相、葉理の収束パタン、偽礫のファブリック解析を行い、その堆積物が、荒天時の暴浪などではなく、津波にともなう一連の堆積作用でのみ説明できることを示しました。さらに、その発見がこうした堆積場における「津波堆積相モデル」の設定に大きく寄与しうる事を論じました。くわえて、竜串層が堆積した前期?中期中新世の西南日本弧の周辺地域では、日本海と四国海盆の拡大によって活発な構造運動が生じていたことから、この津波堆積物が、こうした時代背景のもとに形成されていたという地史学上の意義も論じています。
本研究における精密な観察による具体的データの提示、そして、それらに基づいた説得力のある考察という、オーソドックスな手法ながら、独自の観点に立った新規性の高さが評価され、受賞につながったと考えられます。
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