公開日 2015年12月25日
本学自然科学系農学部門 角野貴志研究員と足立真佐雄教授らによる珪藻感染性ウイルス由来の新奇プロモーターの性質に関する研究成果が、Nature Publishing Groupが刊行する学際的電子ジャーナル「Scientific Reports」に2015年12月22日(火)午後7時(イギリス時間: 22日(火)午前10時)に掲載されました。
角野研究員らは、世界に先駆けて珪藻自身に感染するウイルスに注目し、これより新奇プロモーターを分離しました。珪藻におけるこれらの遺伝子転写誘導活性を検討した結果、これらは従来型の内在性プロモーターに比べて、転写レベルで4~5倍以上の活性を持つことが明らかとなり、さらにこれらは構成的に働く可能性が高いことを明らかにしました。これらの結果は、本プロモーターを用いて、海産珪藻を用いてバイオ燃料をはじめとする有用物質の大量生産に繋がるものと期待され、Scientific Reports誌に公開されることになりました。
本研究成果は、国内特許2件ならびに外国特許5件の取得にも繋がっており、その成果の一部は文部科学省特別経費プロジェクト「海洋性藻類を中心とした地域バイオマスリファイナリーの実現に向けた新技術の創出」(http://wwb.jp/sample/algae/index.htm)により得られました。
【発表論文】
雑誌名:「Scientific Reports」
論文タイトル:Characterization of marine diatom-infecting virus promoters in the model diatom Phaeodactylum tricornutum
著者: T. Kadono, A. Miyagawa-Yamaguchi, N. Kira, Y. Tomaru, T. Okami, T. Yoshimatsu, L. Hou, T. Ohama, K. Fukunaga, M. Okauchi, H. Yamaguchi, K. Ohnishi, A. Falciatore & M. Adachi,
URL: http://www.nature.com/articles/srep18708, DOI番号:10.1038/srep18708