公開日 2017年5月16日
応用自然科学専攻博士課程2年の松岡宏哲さんと自然科学系理学部門の津江保彦教授が、João da Providência教授(ポルトガル コインブラ大学)、Constanca Providência教授(ポルトガル コインブラ大学)、山村正俊氏(関西大学名誉教授)と共同で発表した論文 “Spin polarization and color superconductivity in the Nambu-Jona-Lasinio model at finite temperature” が3月1日付けで米国物理学会のPhysical Review D 誌に掲載され、研究結果を視覚化した図が特に審美的であるとされ、3月の “Kaleidoscope” に選ばれました。
<論文概要>
南部陽一郎氏のノーベル物理学賞受賞の対象となった論文中で用いた理論である南部?Jona-Lasinio模型と呼ばれる素粒子の理論模型を用いて、有限温度?有限密度下に存在するクォーク達(クォーク物質)が示す様相を研究しました。高密度ではクォークが、ある種の超伝導状態となることが理論的に予想されていますが、さらに高密度ではクォークのスピン偏極が起きる状態や、ある種の超伝導状態とスピン偏極状態が共存する可能性があることを初めて明らかにしました。
※Kaleidoscopeは、月間にPhysical Review D 誌に発表された数多の論文の中から、計算結果や実験結果の美しい図を毎月10件程度編集者(編集部)がピックアップして、メインのwebページに掲載されるものです。
雑誌名 | Physical Review D |
論 文 ???? |
Spin polarization and color superconductivity in the Nambu-Jona-Lasinio model at finite temperature |
著 書 |
Hiroaki Matsuoka, Yasuhiko Tsue, João da Providência, Constan Providência, and Masatoshi Yamamura |
D O I | https://doi.org/10.1103/PhysRevD.95.054025 |