公開日 2018年3月19日
医学部医学科生理学講座(統合生理学)の黄光哲博士研究員、谷口睦男准教授らによる学習?記憶の基礎過程に関する研究成果が、米国科学雑誌『Learning & Memory』の2018年4月号に掲載され、表紙を飾りました。
雌マウスは、交尾刺激を引き金として交配雄フェロモンを記憶することで妊娠の保障を獲得しています。この記憶の形成には交尾刺激によって副嗅球に放出されるノルアドレナリンが重要な役割を演じていることが判明しています。しかしながら、そのシナプスメカニズムについては不明でした。黄研究員、谷口准教授らは、ノルアドレナリンによるシナプス可塑性誘導のメカニズムを電気生理学的に明らかにしました。
本研究成果は、匂いの学習?記憶の普遍的なメカニズムの解明に寄与するものと期待されます。
論文名:Alpha2-adrenergic receptor activation promotes long-term potentiation at excitatory synapses in the mouse accessory olfactory bulb.
著者名:Huang G-Z*, Taniguchi M*, Zhou Y-B, Zhang J-J, Okutani F, Murata Y, Yamaguchi M, Kaba H *These authors contributed equally to this work.
発表誌:Learning and Memory 25: 147–157, 2018.
論文掲載HPのURL
4月号表紙:http://learnmem.cshlp.org/content/25/4.cover-expansion
論文:http://www.learnmem.org/cgi/doi/10.1101/lm.046391.117