医科学専攻 町原加代さん、総合科学系複合領域科学部門 難波卓司准教授の研究成果が『Cells』に掲載されました。

公開日 2019年10月30日

 本学大学院総合人間自然科学研究科医科学専攻 町原加代さんと総合科学系複合領域科学部門 難波卓司准教授は、癌化した細胞が低栄養なストレス環境へ適応することを阻害して、細胞の増殖を抑制することで癌化細胞の増殖を防いでいる新たなメカニズムを発見しました。
 細胞が癌化して増殖するには必須な栄養素が少ない環境に適応することが必要です。しかしながら、その適応のメカニズムはあまり分かっていませんでした。本研究では小胞体膜タンパク質BAP31が細胞内で不要なタンパク質を分解して新たな栄養素を作り出すオートファジーの誘導を抑制することで、癌化した細胞が低栄養な環境への適応を抑制して細胞死を誘導すること、及びBAP31が欠損した場合にはオートファジーの誘導が促進されて癌化した細胞の増殖や浸潤が促進されることを発見しました。

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 本研究結果は、2019年10月30日付で『Cells』にオンライン掲載されました。癌細胞の低栄養な環境への適応を阻害することができる新たな抗癌剤のターゲットの発見に役立つことが考えられます。

発表雑誌
Kayo Machihara and Takushi Namba. BAP31 Inhibits Cell Adaptation to ER Stress Conditions, Negatively Regulating Autophagy Induction by Interaction with STX17. 2019. Cells.

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