公開日 2021年6月28日
黒潮圏総合科学専攻博士課程2年生のJoshua Vacarizasさんらの研究グループによる、造礁性サンゴの染色体の特徴付けに有用なツールを開発した研究成果が、Nature系電子版の「Scientific Reports」に2021年5月31日付で掲載されました。
文部科学省国費留学生として黒潮圏総合科学専攻に在籍中のJoshua Vacarizasさんは、田口尚弘客員教授(高知学園大学教授)と久保田賢教授(黒潮圏総合科学専攻)らの指導の下、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法を用いた造礁性サンゴの染色体中の特定のDNA配列の検出に関する学位研究を進めています。この方法は、シグナルが弱すぎて単一の遺伝子を検出できないケースが多いことが欠点として挙げられます。そこで研究グループは、多数のDNA配列の中から繰り返し配列を持つものを選択し、バイオインフォマティクスの手法を適用することで、強いシグナルを示すクリアなFISH像を得ることに成功しました。この研究結果は、今後、核内の多くの染色体長が似通っているため判別困難な造礁性サンゴ研究の発展に寄与することが期待されます。
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掲載名:Scientific Reports
論文名:Cytogenetic markers using single-sequence probes reveal chromosomal locations of tandemly repetitive genes in scleractinian coral Acropora pruinosa
著者:J. Vacarizas, T. Taguchi, T. Mezaki, M. Okumura, R. Kawakami, M. Ito and S. Kubota