公開日 2021年8月19日
医学部医学科薬理学講座の東洋一郎講師と齊藤源顕教授らの研究グループの総説が、国際誌「International Journal of Molecular Sciences」に掲載され、2021年7月26日に電子版が公開されました。
虚血性脳卒中は患者数の多い脳疾患の一つで、特に虚血性脳卒中による海馬の神経傷害は認知症に関与するため、重大な問題となります。この神経傷害の原因としては、再灌流後の活性酸素産生の増加や神経細胞内Zn2+ホメオスタシスの破綻が考えられています。一方、グルタチオン (GSH) は神経細胞内において抗酸化作用を示し、神経保護や細胞内のZn2+ホメオスタシスの維持にも関与するため、虚血性神経細胞死に対する内因性神経保護因子として認識されています。
今回の総説で東講師らは、海馬における虚血性神経細胞死に対するGSHの神経保護作用について、GSH生合成に関与する輸送担体の日内変動に着目しながら概説しています。
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<論文名> Protective Role of Glutathione in the Hippocampus after Brain Ischemia
<和 訳> 海馬における虚血性神経細胞死に対するグルタチオンの内因性神経保護因子としての役割