公開日 2021年8月27日
医学部医学科微生物学講座の橋田裕美子助教と大畑雅典教授、耳鼻咽喉科学講座の兵頭政光教授らの研究グループの研究成果が『Cancer Science』に掲載され、2021年8月12日に電子版が公開されました。
ヒトパピローマウイルス(HPV)関連中咽頭がんは、同じウイルスを原因とする子宮頸がんよりも患者数の増加が世界的に著しい悪性腫瘍です。性行為の多様化に伴いわが国においても増加傾向にあり、今やHPV関連がんと言えば中咽頭がんと言っても過言ではなくなりました。なかでも40~50代の比較的若年層で中咽頭がん発症の増加がみられ、その克服が大きな課題となっています。
HPV関連中咽頭がんは、HPV非関連がんと比較し治療後の予後が良好であることが大きな特徴ですが、HPV関連中咽頭がんの中にも予後不良症例が存在します。そこで本研究グループは予後規定因子を同定する為、HPV DNA量の単変量解析および多変量解析を行ったところ、HPV DNA量が少ない場合は、有意差をもって全生存期間と無増悪生存期間が長くなることを見出しました。
今回の研究で得られた新たな知見は、今後、HPV関連中咽頭がんの予後規定因子として取り上げられることが期待されます。
<論文名> Prognostic significance of HPV16 viral load level in patients with oropharyngeal cancer
<和訳> 中咽頭がんにおけるヒトパピローマウイルス16型ウイルス量の予後予測意義
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