公開日 2022年8月1日
2022年3月にお知らせした下記の研究成果が、2022年6月にジャーナル誌の印刷物として出版され、さらに、その表紙(Cover Image)に採択されました。
?
(2022年3月7日掲載内容)
設備サポート戦略室の林芳弘技術専門職員、医学部附属病院病理診断部の山本由美子客員講師、医学部病理学講座の村上一郎教授らの研究成果が、Springer社の国際誌『Medical Molecular Morphology』の電子版に、2022年1月20日付けで公開されました。
腫瘍治療において、ファシンとファイブロネクチンの両タンパク質は腫瘍細胞の遊走と転移に重要な役割を果たすことが知られています。
林技術専門職員らは以前の研究で、ファシンがラット肝芽細胞(未熟肝細胞)の遊走?浸潤時に一過性発現すること及びヒト肝癌細胞の遊走と転移に関わるタンパク質であることを明らかにしていました。本研究ではファシンの発現時に焦点を絞り、通常の培地で培養したラット肝芽細胞(肝臓から取り出した)のファシン発現期間に比べ、ファイブロネクチンを含む培地で培養した肝芽細胞のファシン発現期間が、より持続することを発見しました。
これらの研究成果は今後、ファシン及びファイブロネクチンを活用した新たな分子標的薬の開発などに大きく貢献できることが期待できます。
?
<論文名> Fascin expression persisted with fibronectin in embryonic rat hepatoblasts
<和 訳> ファイブロネクチンはラット胎仔の肝芽細胞のファシン発現を持続させる
?
参考URL: