◆学生5名が日本化学会中国四国支部?支部長賞を受賞!

公開日 2022年3月16日

 本学大学院理工学専攻(修士)2年生の堤尚輝さん、大学院農林海洋科学専攻(修士)2年生の山崎直輝さん、土佐さきがけプログラムグリーンサイエンス人材育成コース(修士)2年生の松浦瞳さん、理工学部4年生の荻原礼奈さん、農林海洋科学部3年生の大成冬真さんの5名が、日本化学会中国四国支部における188足球直播_篮球比分¥体育官网3年度支部長賞を受賞しました。

 本賞は中国四国地区の大学生?大学院生のなかで、化学領域の活動に意欲的に取り組み、かつ学業成績や発明等の研究成果の面でも特に優れた実績を残した人物に対して授与されるものです。

 

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 堤尚輝さんは、複合領域科学部門の越智里香助教の指導の下、「糖残基を有する機能性超分子集合体の開発」という研究に取り組んできました。超分子集合体とは、複数の分子が弱い分子間力によって集まることでできる集合体です。本研究では、糖をパーツとして有する超分子集合体の設計?合成を試み、温度や酵素に応答して色調や蛍光強度が変化する新規超分子集合体の開発に成功しました。今回得られた成果は、特定の刺激?物質を検出するためのセンシング材料を開発するうえで有用な知見となりうることが期待されます。

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 山崎直輝さんは、複合領域科学部門の上田忠治教授の指導の下、金属導入ポリオキソメタレート(POM)の電気化学的酸化還元挙動について詳細に調べました。その結果、還元時にPOM中の銅が脱離して電極に吸着するメカニズムを解明し、また、POMに導入されたコバルトやマンガンが溶液中に共存する有機分子との相互作用を定量的に解析することに成功しました。これらの研究成果の一部を、インパクトの高い国際誌や国内の学会で発表しました。

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 松浦瞳さんは、複合領域科学部門の仁子陽輔助教の指導の下、ピレンを基盤とした近赤外発光性の蛍光色素の合成と、同色素を高密度集積した超高輝度蛍光ナノ粒子の開発に取り組んできました。こうした蛍光ナノ粒子は、生きているマウスの脳血管の造影剤として利用できることが知られていますが、従来のものでは明るさ(=輝度)が不十分であり、脳深部(海馬領域)血管の造影が困難でした。本研究で開発した蛍光ナノ粒子をマウスの血中に投与し、二光子顕微鏡で観察したところ、マウスの海馬CA1領域の毛細血管を鮮明に描出することが可能となりました。したがって、同蛍光ナノ粒子は血管動態解析に基づく脳機能の理解や脳血管障害の病態解明に有用な材料であると期待されます。

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 荻原礼奈さんは、複合領域科学部門の恩田歩武講師の指導の下、セルロースから有用化合物へ固体触媒変換について研究してきました。研究対象のセルロースは食物繊維として植物に多量に含まれており、未利用セルロースの有効活用は、将来の持続可能社会の実現に向けて重要な課題です。本研究で、萩原さんは、高温高圧のエタノール中で、セルロースからレブリン酸への直接合成をゼオライト触媒が促進することを明らかにし、さらに、新規に材料開発した多孔質のジルコニウム酸化物の合成に取り組み、セルロースから乳酸を多く生成する触媒として働くことを明らかにしました。

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 大成冬真さんは、生命環境医学部門の芦内誠教授の指導の下、生命機能を模倣したプラスチック新素材に関する研究に取り組んできました。研究により、細胞や生体高分子群に認められる自己分解(オートリシス)という現象(機能)が化成プラスチックでは欠けていること発見しました。オートリシスプラスチックが完成すれば、現代の環境問題(海洋プラスチック汚染等)に対するゲームチェンジャーになりうることから、本研究成果はモノづくり分野におけるSDGsへの貢献にも期待されます。また、環境材料に関する成果は多方面から評価され、発明者として特許新案件の出願にも関わっています。

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