公開日 2022年4月8日
医学部薬理学講座の清水翔吾学内講師、齊藤源顕教授らの研究グループの研究成果が、国際誌『European Journal of Pharmacology』に掲載され、2022年3月22日に電子版が公開されました。
排尿筋低活動とは排尿障害の一種で、排尿筋の収縮低下や収縮時間の減少により効率よく排尿が出来ない状態のことで、生活の質の低下が大きな問題となっています。しかしその成因は十分に明らかになっておらず、有効な予防?治療法は限定されています。
これまでに本研究グループは、自然発症高血圧ラット (SHR) を用いた実験を行い、加齢が高血圧を重篤化させ排尿筋低活動様(排尿間隔延長及び残尿増加等)の膀胱機能障害を引き起こすことを突きとめていました。
今回の研究では、臨床で用いられている降圧薬ロサルタン (アンジオテンシンⅡタイプ1受容体拮抗薬) をSHRに慢性投与した結果、重度高血圧のみならず排尿筋低活動様の膀胱機能障害を抑制することを明らかにしました。この研究成果は、排尿筋低活動の新たな予防?治療法の開発において有用な知見となることが期待されます。
<論文名> Effects of losartan on bladder dysfunction due to aging-related severe hypertension in rats
<和 訳> 加齢に伴う重度高血圧による膀胱機能障害に対するロサルタンの効果
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