公開日 2023年5月2日
牧野富太郎博士が活躍されていたころの植物学は主に植物の分類を中心としたものでした。それから100年以上を経た現代では、植物の様々な生命現象を分子レベル?遺伝子レベルで理解するという、当時では不可能だった植物学研究が展開されています。例えば、光エネルギーを利用して二酸化炭素を固定し糖を合成する光合成は植物特有の生命現象で、まさに植物学の王道とも言える研究領域です。しかし実は未だに解明されていない謎が次の時代の植物学における宿題としておどろくほど多く残されています。
今回、自然科学系理工学部門の山﨑朋人助教(責任著者)と自然科学研究機構基礎生物学研究所の研究グループが、光合成装置が光エネルギーを捨てる反応を抑え、光が弱いとき効率的に光合成を行うしくみを発見しました。環境にあわせた光合成能力の最適化に関する今回の発見は、農作物の増産や、二酸化炭素削減などの地球規模の問題解決につながる重要な知見となると考えられます。
この研究成果は、188足球直播_篮球比分¥体育官网5年4月26日付(日本時間)、米国科学アカデミー紀要(PNAS, Proceedings of the National Academy of Sciences of the U S A)電子版に掲載されました。
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(論文名)Small RNA-mediated silencing of phototropin suppresses the induction of photoprotection in the green alga Chlamydomonas reinhardtii
Tomohito Yamasaki*, Ryutaro Tokutsu, Haruhi Sawa, Nazifa Naziha Razali, Momoka Hayashi and Jun Minagawa
(和訳)小分子RNAを介したフォトトロピン遺伝子の発現抑制が単細胞緑藻クラミドモナスにおける光防御機構の発動を抑制
URL: https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2302185120
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