公開日 2023年12月4日
西太平洋のサンゴの分析により、過去237年間の海水温変動を復元!~温暖化による夏の海水温上昇が明らかに~
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自然科学系理工学部門の池原実教授ら研究グループの研究成果が、米国地球物理学連合(AGU)の公式ジャーナル「Paleoceanography and Paleoclimatology」に2023年11月29日付けで掲載されました。
現在では海洋観測網が発達しており、海洋の基本的な情報である水温は誰でも知ることができます。しかし、1950年以前の観測データはまだ少なく、さらに1900年代初頭になると太平洋の観測データはごくわずかです。
そこで、本研究グループは年輪を形成しながら100年以上も成長を続けるハマサンゴを地質学的試料として扱うことで、過去200年以上の連続的な海水温の復元を行いました。これにより、黒潮の出発点でもある西太平洋熱帯域がいつから、どのように人為的要因による温暖化の影響を受けていたのかを明らかにしました。
本研究は、海水温と塩分データの空白域?空白時期の一部分を埋めることで、気候モデルなどの精度上昇にも貢献することが期待されます。
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論 文 名:Natural and anthropogenic climate variability signals in a 237-year-long coral record from the Philippines
著? 者:Mayuri Inoue, Ayaka Fukushima, Mutsumi Chihara, Ai Genda, Minoru Ikehara, Takashi Okai, Hodaka Kawahata, Fernando P. Siringan, Atsushi Suzuki
D? O? I:10.1029/2022PA004540
プレスリリース_西太平洋のサンゴの分析により、過去237年間の海水温変動を復元!~20世紀の温暖化による夏の海水温上昇が明らかに~.pdf(986KB)