公開日 2024年4月15日
医学部眼科学講座の岸本達真助教が、第21回日本角膜学会において学術奨励賞を受賞し、188足球直播_篮球比分¥体育官网6年2月9日(金)に開催された授賞式に参加し受賞講演を行いました。
本賞は日本の角膜の研究を助成振興し研究向上発展に寄与することを目的としており、日本角膜学会により優秀な研究業績を発表した医師に贈られるものです。
ドライアイとアレルギー性結膜疾患はどちらも非常に有病率の高い眼表面疾患であり、両症状を併発している患者は多く存在します。そのため、両疾患が相互にそれぞれの発症あるいは増悪に関与している可能性が考えられます。アレルギー性結膜疾患がドライアイに与える影響については様々な報告がありますが、ドライアイがアレルギー性結膜炎に与える直接的な影響についてはこれまで報告されていませんでした。
今回、岸本助教は涙液減少型ドライアイがアレルギー性結膜炎へ与える影響を検討しました。涙液減少型ドライアイはマウスの眼窩外涙腺を摘出することで惹起し、アレルギー性結膜炎は卵白アルブミンを腹腔内投与し感作させ、抗原を点眼することで惹起しました。眼窩外涙腺を摘出した涙液減少型ドライアイマウスにおいては、上皮のバリア機能障害および涙液クリアランスが低下することでアレルギー性結膜炎の臨床所見?症状を増悪させることが示唆されました。
このように岸本助教はドライアイがアレルギー性結膜疾患に与える影響について検討することで、ドライアイの適切な治療によりアレルギー性結膜疾患の増悪の抑制に繋がる可能性を報告しました。今後の臨床への応用も期待できることが高く評価され、学術奨励賞が授与されました。
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授賞式でトロフィーを受け取る岸本助教(左)
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<論文名>
Aqueous-deficient dry eye exacerbates signs and symptoms of allergic conjunctivitis in mice. Int J Mol Sci 23(9) : 4918, 2022.
<和訳>
涙液減少型ドライアイがアレルギー性結膜炎に与える影響の検討
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眼科学講座ホームページ https://kochi-eye.jp/