◆大学院理工学専攻2年の小山内彩さんと河野敬太さんが、2024年度地球環境史学会年会にて「優秀発表賞」を受賞しました

公開日 2024年12月9日

 2024年11月29日~30日に開催された2024年度地球環境史学会年会にて、大学院理工学専攻2年の小山内彩さんと河野敬太さんが「優秀発表賞」を受賞しました。

 本賞は、エントリーされた25名の大学院生による研究発表を対象に審査され、優秀な発表を行った4件の研究発表が表彰されました。

 

発表者:小山内 彩?池原 実?山口 飛鳥?Stephen P.Obrochta?山崎 俊嗣
発表タイトル:後期更新世-完新世におけるウェッデル海北西部の古海洋環境復元
南大洋ウェッデル海北西部の海洋コア解析に基づき、暫定的な年代モデルを構築し、過去約2.5万年間の生物生産の変動を復元しました。その結果、最終氷期における一時的な温暖化188足球直播_篮球比分¥体育官网の際、海氷縁の後退に伴い生物生産が急増していたことが明らかになりました。この現象は、多年生の海氷の融解により、海氷に蓄積していたダスト由来の鉄が海洋表層に供給されたことが要因である可能性が示唆されました。今後の研究でさらなる検証が期待されます。

 

発表者:河野 敬太?池原 実
発表タイトル:トカラ海峡の堆積物コアから復元した過去2万年間のアルケノン古?温変動
トカラ海峡東方の海洋コアの解析から過去2万年間の表層海水温変動を復元し、最終氷期には約4℃低下していたこと、沖縄トラフの表層水温変化とほぼ同様の海水温変化が起こっていたことが分かり、最終氷期以降この海域が黒潮の流路だったことが考察されました。ただし、完新世初期には一時的に海水温が低下する現象が認められ、これは黒潮が蛇行流路をとる際に発生する現象に関係することが考えられ、その後完新世では現代と同じように黒潮は蛇行を繰り返していたことが示唆されました。当時の気候的要因の変化や黒潮の古流路の変動が与える影響などとの関連が今後明らかにされるものと期待されます。

 

 

 

 

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