公開日 2023年11月21日
11月11日(土)-12(日)、希望創発研究会(11月例会?対面)を実施し、県外企業人、高知県内企業人合せて11名、学生9名、その他関係者16名、一般参加者12名の計48名が参加しました。
1日目?午前
特別基礎セミナー「よみかき心得帖」
講師:平井久義氏(元 岡山大学附属中学校?国語科教員)
渡辺センター長から開会挨拶の後、岡山県にて長きにわたり中学校の国語科教員をされてきた平井久義先生を講師にお招きし、特別基礎セミナーを開催しました。本来協働セミナーは、当センターの「希望創発研究会」参画者、関係者を対象に実施しておりますが、今回は本学の一般学生、教職員、その他関係者が12名参加をしました。
セミナーでは、なにげなく日本語を使いこなしている私たちが気づかなかった視点での「よみかき」について、助詞や段落などに注目し読み解くことによって、国語の力の奥深さ、そして面白さについて示唆を与えていただきました。
1日目?午後~2日目
1日目午後から2日目は、各チームに分かれ、研究テーマに向けた調査や調査結果を踏まえた研究テーマのチーム対話を行いました。
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各チームの訪問レポートをご覧ください。
【チーム2】
10月例会にて中芸地域の方々に対して地域の課題をヒアリングしましたが、「他地域でも同様の課題感が存在しているか」という疑問のもと、日高村の方々にインタビューを行いました。また、高知県内で地域の課題と向き合いながら、先進的な活動をされている株式会社StoryCrew代表 浅野様へのインタビュー(ZOOM)を実施しました。
まず、日高村では「村の駅ひだか」にある「村の案内所ひだか」の職員さんにインタビューしました。村の駅やオムライス街道ができたことで観光客が訪れ、以前より村が活気づいていること、ただ、これからの村の駅の運営や観光案内を担っていく人材が不足していることなど職員さんの思いについて様々なお話を伺うことができました。
また、株式会社StoryCrew代表取締役の浅野さんへインタビュー(ZOOM)を実施しました。高知県南国市に本社を置く株式会社StoryCrewは、オフィス向けフードサービス「イナカデリコ」を展開しております。浅野さんの前職である会社員時代に多忙のためお昼ご飯に何を食べていたかを思い出せないほど、質の高くない食事をしていたという経験から「忙しい会社員に健康的な食事を届けたい」という思いのもと、高知県などの地方の食材を用いて都心部にフードサービスを提供するという「地産外商」をテーマに意欲的に活動されております。そのような経験をお持ちの浅野さんにどのような経緯?思いで活動されているのか、高知県の課題、アイデアを創造するためにどうすればいいのかなどチーム2が疑問?興味を抱いている内容についてお話を伺いました。高知県の魅力である新鮮な食材を用いて「忙しい会社員に健康的な食事を届けたい」という思いのもと、ご活躍されている浅野さんは、希望創発研究会を通して、何かしらの形で高知県の課題解決を実現したいと模索している私たちチーム2の模範とすべきお姿でした。
11月の例会をもとに、より各々の思いや実現したいことをチーム2の活動として照らし合わせていくことで、今年度の活動を充実したものにしていきたいと改めて実感しました。
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【チーム3】
チーム3は、2日に分けて高知県梼原町越知面区、および越知町横畠を訪問しました。
(1日目)
訪問先:高知県梼原町越知面区 集落活動センターおちめん
参加者(相手側のみ記載):集落活動センターおちめん 理事長 上田氏
アメゴ養殖 選任従事者 中越氏
おちめんでは、廃校になった小学校を利用した宿泊所や、特産品の製造、アメゴ養殖事業の推進、などに取り組んでおり、今回は主にアメゴ養殖事業についてお話を伺いました。
アメゴ養殖事業は、2020年に町から後継者育成の検討要請を受け開始したそうです。
しかし、前任者の高齢化による廃業が決定し、事業継続の観点から30代の若い後継者が見つからない場合は取り組み自体を断念することになっていたそうです。その中で事業の引継ぎを受け入れた人物が、現在の専任従業者である中越氏でした。
中越氏は、元々地元である梼原への移住を考えており、移住する場合は梼原のためになる仕事がしたいと考えていたそうです。そこでアメゴ養殖の引継ぎの話を聞き、これを受け入れたそうです。前任者からの引継ぎを実施することが出来、現在は出荷可能なアメゴを増やすべく取り組んでいるそうです。
また、次の後継者が引き継ぐことも考慮し、作業のデジタル化やデータの蓄積も同時に行っているそうです。
(2日目)
訪問先:高知県高岡郡越知町横畠 山笑ふ横畠集落活動センター
参加者(相手側のみ記載):越知町区長連合協議会 会長 道家義宗氏
?越知町企画課 集落支援員 道家里香氏
?大原氏
山笑ふ横畠集落活動センターでは、廃校になった小学校を利用した宿泊所や喫茶店を運営しており、そこから集落の現状について話を伺いました。
横畠は山間部に在る集落であり、農業の衰退による人口流出や、そのあおりにより平成14年に小学校が休校になるなど20年以上前から徐々に活気が失われつつあったそうです。
そこで、地域活性の一環として小学校を宿泊所や喫茶店として改装し、人が集まる場を作ったそうです。
宿泊所は主に、サッカークラブの合宿、団体観光客の宿泊などに利用されているそうです。
しかし人手が不足しているため、食事は基本的に用意しておらず、キッチンの貸し出しを主に行っているとのこと。
現在は、移住の促進に取り組むことを先決に活動しているとのことです。移住してほしい人の条件を伺ったところ、地域活動に自ら参加してくれる人を挙げていました。これは、昔ながらの188足球直播_篮球比分¥体育官网ごとなどを移住者にも引き継いでほしいためだそうです。現在、道家里香氏は大原氏から188足球直播_篮球比分¥体育官网運営を引き継いでいるが、大原氏であれば協力するという住民の意識があり、住民との信頼関係構築から難航しているとのことです。
集落ならではの強い信頼関係が、引継ぎの際のハードルを上げているようでした。
しかし、地域住民の信頼関係が強いことで、188足球直播_篮球比分¥体育官网は打ち合わせも必要ないほどスムーズに進むそうで、この地域の特色は後世に残したいとのことでした。
今回の訪問では、人手不足?後継者不足により廃れようとしている文化がある事、またこれに対抗するために活動する人がいることを実感できました。
チーム3では、特に、地域特有の食が失われること、食の多様性が失われることに対して関心がありそうだと感じました。今後は、どのような文化、及びそれにかかわる人にフォーカスを当てて活動していくか考えていく予定です。
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(チーム4)
チーム4は1日目に高知県香南市岸本地区、2日目に高知県高岡郡日高村に訪問しました。
チーム4は前回、横畠地区に訪問した際に実際にその場所に行ってみなければ課題に関する危機感や緊張感、またその地区の魅力や生活感を感じることができないと考えました。そこで今回は、他の集落に行くことで比較、共通点の探し出しをし、高知県の課題感を調査しました。
1日目は岸本地区集落活動センターを訪問し、集落活動センター副会長である中谷 健太郎さん、会長であり、岸本地区にアイスクリーム屋さんを開き代表をしている矢野 佳仁さんのお二方を主にお話を伺いました。岸本地区が現在行っている活動について「かっぱや」などのお話を深く聞くことができました。活動の面白さを感じた例として、空き家を利用したお店の開業ができるような活動。地震が来た場合でもまたやり直せるような事業計画を立てている。といったものがあり、課題感としては、人財の不足、地域おこしをしていくうえで引っ張っていくリーダーの役割の重要性。「関係人口」を増やす。といったことが出ました。また、「3年間のみ資金を給付するがそれ以降は関与しないため、それまでに自分たちで完結し、循環した運営を行う必要がある。」といった先月訪れた横畠とも共通した集落活動センターを運営していく中での金銭面的な不自由が存在することを認識しました。
2日目は日高村にあるとまととを訪問し、地域のために様々な活動をしている一般社団法人nossonのCEO/ディレクターである小野 加央里さんにお話を伺いました。県外出身である小野さんがどのようにして現在の活動に興味を持ったのか、現在行っている「いきつけいなか」や「いきいきソーシャルアクションプロジェクト」といった活動内容、活動計画を深いところまで聞くことができ、とても興味をそそられました。活動の面白さを感じた例として、高齢者が畑仕事を通して地域や若者たちを救うような活動。地域同士での人財、資源のシェア。というものがあり、課題としては地域を応援してくれる「関係人口」と「交流人口」を増やす。どうしても活動にお金がかかってしまうことから利他精神と営利目的の運営に矛盾が生じる。といったことがあげられました。前回訪れた横畠や今回訪れた岸本と共通し、人材不足が大きな課題であると感じ、その対策として「関係人口」と「交流人口」に注目している印象を受けました。
最後にこれまでのフィールドワークを通して、それぞれ自身の印象に残ったキーワードを書き出し共有する時間を設けました。そうすることでチーム全員が課題としていること、興味を持っていることを深堀し、話し合うことで個人が大切だと思っている課題感とチームとしての課題感を深めることができました。チーム活動の方針となるキーワードが絞れてきたので今後の活動に今回の経験を活かしたいと思います。