研究紹介
EGFR阻害薬によるざ瘡様皮疹の発症機序の解析
EGFR阻害薬によるざ瘡様皮疹の発症機序の解析
担当:髙田 智也
ざ瘡様皮疹(papulopustular eruption: PPE)は、癌治療で多用されるEGFR阻害薬投与中の患者に最も多い皮膚障害であるが、発症機序は未だ明らかではない。
我々は、PPEの組織像がざ瘡と異なり、脂腺周囲に炎症細胞浸潤が目立つこと、また膿疱形成前より脂腺周囲に炎症がみられることを見出した。更に脂腺細胞をEGFR抗体で刺激すると、炎症性サイトカインの発現が上昇していた。現在、ビタミンC誘導体などによる新たなPPEの治療法を探索している。
分子標的薬による皮膚障害の機序を解明、コントロールすることで、多くの担癌患者のQOLが改善することを期待している。
- PubMedTakata T, et al. J Dermatol Sci 2012 Mar 3
EGFRの標的としての皮脂腺の役割