がん登録 -Registration-
■院内がん登録とは?高知大学医学部附属病院で初めてがんの診断または治療を受けた患者さん全員について、がんの特徴(部位、組織型、進行度など)、行われた医療の内容など(検査の種類、治験方法など)を登録するしくみです。これらの情報を院内がん登録室が収集しデータベースに登録しています。 ■院内がん登録の目的は?2つの目的があります。 1.高知大学医学部附属病院のがん医療水準の評価 高知大学医学部附属病院には、都道府県がん診療連携拠点病院として、地域のがん患者さんに最高の医療を提供する責務があります。医療の水準を客観的に評価する大切なものさしは、治療を受けたがん患者さんのうち、3年(あるいは5年)が経過した時点で生存している割合がどれくらいかを表す、3年後(あるいは5年後)生存率です。病院は、治療を行ったがん患者さんの生存率を計測することによって、提供しているがん医療の水準を客観的に知り、その水準をさらに高めるための取り組みを推進できるようになります。 高知大学医学部附属病院の院内がん登録情報は、高知県が実施している高知県地域がん登録へ提供されます。地域がん登録は、県内の各医療機関から提供された院内がん登録情報を整理して、高知県全体ではがんに罹る人がどれだけいるのか(がん罹患率)、また、高知県全体のがん患者さんの生存率はどれだけなのかを計測しています。これらの資料は、高知県が「がん対策推進計画」を作って、県全体でがん予防を推進し、またがん医療の水準向上に取り組むことに役立てられます。 注:高知大学医学部附属病院では、2009年4月から高知県の委託を受け、高知県地域がん登録事務局を設置し、登録情報の全国レベルでの標準化、がん登録の意義の啓蒙、がん登録担当者の研修など、地域がん登録の充実に協力しています。 ■院内がん登録の対象は?がんの診断または治療のために、高知大学医学部附属病院の外来を初めて受診された患者さんと、初めて入院された患者さんとが登録の対象です。最近は外来だけで行われるがんの検査と治療が増えていますので、外来だけを受診された患者さんも登録対象に含めています。 ■院内がん登録に登録される情報は?がん患者さんの生存率を計算するために必要な日付(診断日、治療開始日、死亡日)、診断されたがんの特徴(部位、組織型、進行度)、行われた医療の内容など(検査の種類、治療方法など)が登録されます。生存率は、がんの特徴や医療の内容によって違うことがわかっていますので、これらの情報も合わせて登録されます。死亡日の把握は、退院時の状況と退院後の通院状況などに基づいて行われます。 ■院内がん登録から定期的に公表される報告は?2種類の報告が定期的に公表されるようになります。 1.高知大学医学部附属病院の1年間のがん患者数 がん診療連携拠点病院としての院内がん登録が開始された2007年(平成19年)1月1日以後に初めてがんの診断または治療を受けた患者さんについて、1年ごとに集計が行われます。がんの部位別人数、がんの進行度別人数などが報告されます。 2.高知大学医学部附属病院でがんの治療を受けた患者さんの生存率 院内がん登録が開始された2007年(平成19年)1月1日以後に初めてがんの治療を受けた患者さんについて、集計が行われます。がんの部位別と進行度別に報告されます。 ■院内がん登録での個人情報保護対策は?がん登録はがん医療水準の向上に不可欠なしくみのため、個人情報保護法の適用対象外になっています。そのため、院内がん登録に必要な情報は、ご本人の同意を得ずに、主治医から院内登録室へ届出されます。届出と情報の保管は、部外者が利用できない病院専用の電算システムを使って行われ、情報の外部漏洩がないよう細心の注意が払われています。 院内がん登録から定期的に公表される報告は集団として統計的に処理されたものに限られます。公表資料によって個人の患者さんが特定される心配はありません。 ■院内がん登録についてもっと詳しく知りたい時は?国立がんセンターがん対策情報センターが作成したホームページ。 がん登録の仕組み をご覧下さい。 ■高知大学医学部附属病院院内がん登録についての問い合わせ先〒783-8505 |