インドネシア北方のオーリピック海嶺で採取した海底コアから分離した底生有孔虫化石殻のd13Cを測定し,東赤道太平洋のデータ(Shackleton & Pisias, 1985)と比較した.その結果,両者間のd13C値の差が氷期および亜氷期には大きくなることが明らかとなり,深層水循環速度が氷期に遅くなっていたと解釈した.また,生息水深の異なる浮遊性有孔虫のd18O,d13Cから得られる過去の海洋のd13Cプロファイルを後氷期と最終氷期とで比較し,最終氷期の酸素極小層が後氷期より発達していたことを明らかにし,最終氷期に生物生産量が増加していたことを示した.
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