Case.03
幼い頃から考えること・学ぶことが好きで、教師になるのが夢でした。地元で中高の理科教師になることを目指して大学に進学したのですが、恩師や研究室の先輩方が、楽しみながら研究をされている後ろ姿を見て、自らも研究者の道を志すようになりました。
専門の地球科学の研究では、時空間スケールの大きい自然現象に対して、野外や洋上調査で自然の美しさや厳しさを肌で感じながら、探偵のようにデータを集め解釈していくプロセスに魅力を感じます。また、文化・国籍・年齢・性別を超えた世界中の同志と”科学”という人類の共同作業に取り組めることに喜びを感じます。
私は、岩石や化石の化学組成や堆積組織に記録された過去の記録を復元する研究をしています。特に、石灰岩や鉄・マンガン酸化物などの岩石中に含まれる微生物の化石を専門に調べていましたが、高知に来てからは、宝石サンゴの骨格に記録されている生育の記録や、鐘乳石に記録される古環境の研究を始めました。家族の支えと理解もあり、単身赴任生活を送っていましたが、現在第一子の出産を控えています。これまでは国内外いろんなところに調査に行くことも多かったのですが、今後は工夫しながら子育てと仕事を両立していきたいと思っています。
化石の中に保存されているいろんなヒントを集めて、大昔の生物や環境を知る研究をしています。そのために、探偵が事件の犯人を探し当てるように、化石の中からいろんな証拠を集めます。例えば恐竜は、化石として残された骨・皮膚・糞・卵などや、その成分からどんな姿で、どんな生活をしていたかが詳しく復元されていますが、それと同じようなことを微生物や宝石サンゴの化石に対して行うことで、未だよく分かっていない微生物の誕生や進化、海の環境変動などを知ることにつなげています。
研究者を取り巻く就職状況は厳しく、研究の道を諦めようと思ったことは幾度もありますが、お世話になった方から頂いた「諦めたらそこで終わり。ここまできたら続けたもの勝ちだよ」言葉を胸に、家族をはじめ恩師や先輩・同僚に支えられながら、なんとか今まで続けることができました。研究活動は楽しくエキサイティングなことばかりではなく、時に辛く苦しいこともありますが、一歩一歩着実に歩を進め、決して諦めない姿勢で挑んでいってほしいなと思います。
健康でなければ研究もできないので、食事と睡眠はしっかり摂るように心がけています。高知では車生活で運動不足気味なので、今後は、少し運動も始めたいなと思っているところです。また、単身赴任なので、家族と過ごせる時間は大切にしています。
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