Case.12
助産師となって公立病院で働きながら看護研究を学会で発表しました。そこで数字やデータを基に考察することに面白さを感じました。その後JICAシニア海外ボランティアとしてエクアドルで2年活動しました。帰国し臨床に戻ったものの、研究に関わりたい、看護学以外の他領域から看護を考えてみたいと思い、50歳半ばで高知大学大学院に入りました。総合人間自然科学研究科修士課程農学専攻黒潮圏準専攻国際保健医療副専攻という専攻で妊婦の食生活について研究し、看護教育にかかわるようになってからも研究を続けています。振り返るとどこでも何か研究をしています。
私の場合、自分の興味を持ったことをテーマとしています。
研究は、日常のささいな疑問からはじまります。教科書に書いてあること、一般的に言われていること、それらに対して、「本当だろうか?」「あれ?ちょっと違うのでは?」と感じたことを心に留めておいて、調べることが楽しいです。当たり前と思うことでも、数字やデータで考えると面白い結果が出ることがあります。研究結果を実際にどう活かすかを考えるとモチベーションが維持できます。
エクアドルで「妊娠中に青いマンゴーに塩をつけて食べるのが大好きになりやめられなかった、そのせいで浮腫みが出て大変だった」と楽しそうに話すのを聞きました。日本では妊娠中すっぱいものが食べたくなると言うが本当だろうか?と疑問がわきました。妊娠中に特別な食品に「はまる」現象は日本だけではないようです。その経験をもとに、大学院では「妊婦の『はまり食』体験の実態」について調べました。その後、看護師、助産師、看護教員の立場で、看護学生の指導について研究してきました。今後は、タンザニアでの経験を活かして、日本とタンザニアの妊婦、看護教育や看護学生について比較研究したいです。またタンザニアの妊婦の「はまり食」について調べてみたいです。。
主な研究テーマは妊娠中の食生活と看護教育です。
助産師で看護教員ですから妊娠中の方や母親、看護学生を対象とした研究が多いです。
妊娠中の方がより楽しくなるような妊娠中の食生活、看護学生の効果的学習法などを明らかにしていきたいと思います。
高知大学の修士課程には働きながら学べる、他領域を組み合わせて学べる、副専攻を自分で組めるなどとてもいいシステムがあります。今は研究に縁がなくてもいつか機が熟すことがあると思います。その機会を掴んで欲しいと願っています。
どこにいてもどんな職業にいても、研究の機会はあります。好きなことや関心のあること、を大切にしてください。そして、教科書に書いてあること、一般的に言われていること、に「本当だろうか?」「なんだかおかしくないかな?」と思ったら、その気持ちを忘れずに、調べてみるといいと思います。現状をもっと良くしたいと考えるのもいい手法だと思います。自分の興味や関心から、関連する他の分野へと学習を進める、統計について学ぶなど、いつかきっと研究に役立ちます。
以前は夜遅くまで起きていることもたびたびありましたが、今は睡眠時間を確保して、翌日元気になってから考えるようにしています。睡眠時間と共に大切なのは一人でとりとめなく考える時間です。考えても行き着く所は平凡な結論のこともありますが、考える過程が好きです。また行き詰まったらいったん保留にして、蓋をかぶせておき、少し期間を置いてから、再び蓋を開けて考えます。
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