Case.20
「逃げ遅れてもがいていたら運良く今の仕事にありつけた」というのが正直な気持ちです。就職に失敗してなんとなく大学院に進学。30歳を前にして自分自身が経済的に自立できていないことに悩み、また研究より実践的な場に身を置いてみたいと思って大学の男女共同参画担当の職員になりました。その仕事や指導教員を通じて関わった調査研究での出会いの中で、徐々に教育・研究にこの先も携わっていきたいと思うようになりました。
自分は研究に向いていないと思いながらももう少し頑張ろうと思ってこの道を進んできたのですが、ここ数年ようやく研究がおもしろいと思うようになりました(遅いですね)。
私はインタビューなどの調査を通じて物事を考えていく研究スタイルをとっていますが、お話をうかがう中でそこにある問題が目の前に浮かび上がってくるときにはワクワクしますし、そしてそれを自分の言葉や文章で発表できることが魅力だと感じています。
これまで地方都市を転々としてきたという自分の経験から、地方における女性の働き方に関心を持ち調査研究をしています。高知に来て5年が経ち、高知での調査フィールドもできました。学部教育では、2020年からこうち男女共同参画センター「ソーレ」に実習でお世話になることになり、自分の研究テーマを教育に加え地域社会にも還元できる機会が増えたことに喜びを感じています。大学での研究・教育の他にも、SOGIに関する勉強会に参加したり、地域の方も交えた読書会をしたり、フラワーデモに参加したりもしています。ただ地域協働学部は実習など授業がとても多く、授業期間中に腰を据えて調査や論文執筆に取り組むことが難しいのがちょっと悩みです。
みなさんは「この仕事は女性向き/男性向きだな」と思ったことがありますか?現在の日本社会では性別によって就く仕事や働き方が異なっています。それはなぜなのか。また最近「女性の活躍」と言われる中で、「女性向き」「男性向き」とされる仕事はどのように変わってきているのか。そういったことに関心を持ち、企業や農林業で働く人々にお話を聞いたりアンケートをとったりして研究を進めています。
私は高校生の頃は学校の先生に、大学生の頃は女性労働に関わる仕事をしたいと思っていました。そのときには方向転換したりあきらめたりしましたが、結果的にいま両方を得ています。研究に携わる仕事を目指そうとすると、よっぽどの方でない限り、悩んだり迷ったりすると思いますが、悩んでまわり道をすることも必ず自分の糧になります。またどうしても迷ったときは、自分がわくわくする選択肢のほうを選ぶことをおすすめします。
2020年春に新型コロナウイルス感染症が流行して在宅勤務を始めたことを機に、朝のラジオ体操とストレッチ、夜のウォーキングを日課にするようになりました。在宅勤務を終えた今でも続けています。運動不足解消のために始めたウォーキングですが、無心で歩いていると研究室や自宅にいるときよりも研究や授業についてのアイディアが浮かぶこともあり、なかなかいいなと思っています。
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