Case.23
家族の影響で幼少期から「食」に強い興味・関心を持っていました。私自身が子育てをする中で、その興味は倍増し独学で勉強して、いくつかの食に関する資格を取得しながら実践していきました。資格を活かし地域行事や代表を務めた育児サークル等でセミナー講師をする中で、更に知識を深め追求したいと考え大学院への進学を決めました。
興味のあることについてとことんまで追求できるところ、また沢山の方と知り合うことができ、予想外の方向に道が開けることも研究の魅力です。実は研究が煮詰り、研究テーマとは少し離れた災害食の開発(地域の課題である害獣としてのシカ肉を活用)をした時期がありました。それがきかっけとなり高知県主催の「シカ肉料理コンテスト」に出品した料理が最優秀賞を受賞。現在、高知県立農業大学校で講義をする際、加工の技術や商品開発に役立っています。遠回りや無駄に思える事も全て自分の血肉になるのが、研究の魅力だと思います。
2011年に東日本大震災が発災。避難所や在宅避難の方の食事はどのようになっているのか、自身が被災した場合、家族や地域の人の食事はどうなるのか、そこから「災害時の食」について研究したいと考えるようになりました。大学院では、「災害時炊き出しの担い手に関する課題とその解決に向けての実践〜自主防災組織と食生活改善推進員に着目して〜」をテーマに研究。沢山の方々の協力と助言を得、県下を調査研究した結果、災害時炊き出しの課題が、またその解決のためには行政や様々な組織が連携し訓練を重ねる重要性が明確になりました。修了後も、大学や自主防災組織、地域のセミナーで講師として調査研究を続けています。現在は高知県立農業大学校で栽培作物を活用した加工品を開発しながら販売の準備を進めています。近い将来、災害食にも発展させていきたいと考えています。
高知県でも、大きな地震や災害が起これば今の生活は一変し、過酷な長い避難生活を送ることになるかもしれません。助かった命をつなぎ、生きる気力や復興への意欲をわかせるためには食べることがとても重要になってきます。「炊き出し」は報道でも取り上げられ、避難所での食事として最も喜ばれたとの報告もあるように、重要な要素といえます。若い皆さんが炊き出しの担い手として活躍し、苦しい思いをしている人を支えていただけるよう、私もさらに学び発信していきたいと考えています。
皆さんの今の決意や思いが、必ず世界のどこかの誰かの役に立つ日が来ると信じて、ぜひ、研究の道に進んでください。研究が進むと、決意や思いが更に深まる、決意や思いが更に深まれば、研究が更に進むはずです。もし悩んだら初心に返り、今、研究できる状況に、研究を後押ししてくれる沢山の人に感謝して一歩でも前に進んでください。応援しています!
家族や友人知人と話をする時間と料理やパンを作る時間です。人の役に立つ仕事に就くことを目標に勉学に励んでいる2人の息子や、どんなことも協力してくれる夫、またいつも信じて励ましてくれる友人知人と会話する時間が何よりも大切な時間です。また、家族のために作る料理や、なぜか忙しくなると作りたくなるパン作りも、私の頑張る原動力です。
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