Case.35
研究活動というものに全く関わったことがなく未知の世界でしたが、放射線科(現・放射線診断科)に入局し、研究に携わっている周りの先生たちを見て、研究というものはどういうものだろう、どういうふうに進めていくのだろうと関心を持ちました。入局2年目で大学院に進み、研究活動に携わり始めました。
臨床を行う中で自分が疑問に思った点について仮説を立て、自分なりの答えまで到達できることです。先行論文を読み、データを収集し、そこから得たものをプレゼンや論文にまとめる作業は地味で、うまくいかない時は苦しいこともありますが、調べながら形にしている最中で新たに気づくこともあり、そういうときに面白さを感じます。
現在は高知大学放射線診断科で診療や研究に携わっています。二人の子供を育てながらなので、なかなか時間が自由に使えませんが、夫にフォローしてもらいながら、忙しい時は近くに住む祖父母に子供を預かってもらっています。また、科に子育て中の先生が多いため、週に一度研究日を設定できたり、希望によって時短制度を活用できるので、比較的子育てと仕事の両立に融通がきく環境だと思います。
癌細胞は正常細胞より多くブドウ糖を消費します。この性質を利用して、放射性物質を標識したブドウ糖(FDG)を体内に投与し、FDGの集積部位を画像化することで、がん細胞を見つけるのがFDG-PET/CT検査です。現在、より良い治療計画に寄与できることを目標に、このFDG-PET/CT検査の集積程度と、肺癌の遺伝子状態や病理学的特性との関係を調べています。
医師になってすぐの頃は、自分が研究に携わるなんて全く考えていませんでした。しかし、始めてみると、研究の世界は考えていたよりずっと身近で、興味深いものでした。これから皆さんの前には、様々な選択肢が広がっていると思います。もしチャンスがあれば、一度研究活動に関わってみるのもいいかもしれません。
休日に家族で遠出をしたり、子供と遊んだりなど。子育てができる限られた時間を大切にしたいと思っています。
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