研究室紹介
【教育理念】
生理学における最も基本的で重要な命題が、ホメオスターシス、すなわち恒常性維持機構の解明であり、その理解を助けることが医学部の生理学教育の根幹であることはいうまでもない。しかし、歴史的にみると、その研究手法が、時代とともに、マクロからミクロ、あるいは統合的手法から要素還元的手法へと一方向性にすすみ、いまや、その逆方向への知識の醸成を試みる生理学研究者?教官が極めて少なくなった。そのため、教育面においてもその弊害として、知識の統合よりも要素の記憶に重点がおかれつつある。生理学から生化学、分子生物学が派生し、独立した学問に体系化された今、基礎科学としての生理学という学問階層に求められるのは、まさに統合生理学(integrative physiology)であり、これこそが医学部の生理学教育の柱となり、臨床医学へとつながるものであると考える。
このようなことから、統合生理学の考え方に重点をおいた学部および大学院教育を実践し、"考える臨床医および医学研究者"を育成する。