消化器内科学講座では、「地域に根ざしたこころのこもった医療」を目指して、全人的医療を担うことのできる優れた内科医の養成を目指しています。
平成21年7月より消化器内科を担当させていただいております西原利治です。私は高知県の中部を流れる仁淀川の河口の近くで生まれ育ちました。子供の頃は毎月のように入院退院を繰り返し、両親に心配をかけることが度々でした。そんな私が病気をしながら感じたことは、健康で平穏に暮らせることのすばらしさです。そして、このあまりにも当たり前の幸せを守ること、そして、それに必要な人材を育成することが私の願いです。
消化器内科は日本人の罹患する癌の半分を守備範囲とする診療科です。私たちの仲間は悪性腫瘍の患者さんの治療に日夜努力を続けていますが、進行した癌はどんな名医が治療しても完治させることは容易ではありません。そこで、私たちは新しい研修プログラムを通じて腹部超音波検査や内視鏡検査、胸部レントゲン読影などの技術を身につけ、日常診療の中で早期癌の発見に寄与できる医師を育てたいと念じております。
必須のアイテムである腹部超音波検査や内視鏡検査の修得は研修早期に集中的に行われます。この研修を受けることにより、早期癌の診断能力が備わり、自然と救急の初期診療に対応できるようになります。高度救急救命医療の必要性を的確に判断するための能力も身につくことでしょう。早期癌の多くは完治が期待できます。もし、あなたが肥満や糖尿病の診療に興味があり、早期癌の発見に不可欠な腹部超音波検査と内視鏡検査の技術を習得するならば、消化器関連の早期癌の多くをあなたは激減させることができるのです。初期研修を修了すれば、県内や京阪神の研修施設でのポリッシュアップ、専門医や学位の取得、留学への道もサポート致します。
今、地域医療の現場では糖尿病をはじめとする生活習慣病の診療に加えて、癌診療と救急症例の初期診療を担うことのできる人材が求められています。私たちは医療に携わるという喜びを胸に秘めた新人をチームに迎え、新しい研修プログラムを通じて地域医療の中核としてリーダーシップを発揮できる人材に育成し、県民の負託に応えたいと願っています。毎年、人間そのものに対する共感を持ち、その健康を増進しようという思いに満ちた感性豊かな人材を迎えることができておりますのは、諸先輩の先生方のご推薦、教室員全員の努力、教室の自由と和を尊ぶ気風が相俟ってのことと感謝に堪えません。
皆さんもご一緒に学んでみませんか。