「子育ても仕事も自分らしく頑張る」
宮武 加苗(平成14年卒)
岩佐 瞳(平成18年卒)
放射線科を選ばれた理由は何でしょうか?
宮武
はじめ私は内科も考えていたのですが、当時の医局では放射線科としては珍しく乳癌を中心に診断から治療までトータルで扱っていました。今の研修医制度と違い、ストレート入局の頃だったので、基本の画像診断の必要性も考えていて、放射線科なら画像診断のほかにも内科的な方面も勉強できて一石二鳥かも!(笑)と入局を決めました。最終的には認定医(現?放射線科専門医)を取得したころ、画像診断が面白くなってきて診断に進みました。
岩佐
学生時代に放射線科の実習で?画像診断って難しいけど面白そうだな?と思ったことが放射線科に興味を持つきっかけでした。その後初期研修医となって日常臨床において画像診断の重要性を実感し、また画像診断を通して全身を診ることができる点も魅力に感じて放射線科を選択しました。
お子さんができてから実際にどのような勤務をされていますか?
宮武
まず妊娠判明後~妊娠中はRI注射など被曝の可能性が少しでもある業務は外して頂きました。もちろん、本来、通常業務を行ったとしても胎児にまったく問題はないのですが、周りの先生方がより慎重な配慮をして下さいました。そのおかげで、本当に安心して仕事を続けることができました。放射線科だからといって、被曝の可能性が他科より特別多いわけではなく、むしろ、日常的により注意していますので問題になることはありません。
産前?産後合わせて、一人目は7ヶ月、二人目は11ヶ月のお休みを頂いた後、院内保育施設も活用できたので、私の場合はどちらもフルタイムで復帰しました。
勤務内容の変化は病棟業務と当直の免除です。病棟業務は、乳幼児がいる場合どうしても時間の制約ができてしまい、主治医として中途半端に仕事はできないと考え、診断メインにシフトさせて頂きました。
岩佐
私は放射線科に入局してすぐに産休?育休に入ったので、同年代の先生方とは少し異なる研修内容だったと思います。産休前は診断をメインで、育休復帰後は診断やIVRを中心に研修させてもらい、病棟業務も行っていました。育休から復帰後は少しでも早く放射線科医として成長できるようフルタイムでの復帰を決めましたが、それは周りの先生方や家族の配慮やサポートがあったからこそと感謝しています。
また、入局して4年目の時には高知市内の病院で1年程研修もさせてもらい、大学病院ではあまり経験する機会が少ない症例も経験でき、とても勉強になりました。
その後大学に戻ってきてからは診断を中心に行っています。今は子供もだいぶ大きくなってきたので、当直にも少し入っていますが、周りの先生方と比べると回数も減らしてもらっています。
今後もできればこのままフルタイムでの勤務を継続できればと思っています。
仕事と育児の両立は難しいですか?
宮武
医局の理解に加えて、私の場合は夫?互いの両親のサポートという面でもかなり恵まれているので、両立が難しいというとバチが当たりそう。
ただ、やはり当直やその他の研究などバリバリ働かれている他の先生方に対しては申し訳ないなと思いますし、その分日勤帯に集中して仕事をこなしていこうと思っています。
岩佐
私は子供が5ヶ月の時に復職したので子供が小さいうちは子供の病気等で急に仕事を休ませてもらい、周りの先生方にご迷惑をおかけすることも多々ありましたが、医局の先生方や家族のサポートがあり、今まで続けてこられたと思います。
入局希望者にむけて
宮武
育児だけでなく、介護問題など男女問わず出てくる問題があると思いますが、当教室ではフレックスタイム制による時短勤務の選択なども可能です。個々の状況を尊重して考えて頂ける、仕事面?環境面において働きやすい職場だと思います。
また放射線科は機器の進歩?発達だけでなく、高知でも徐々に遠隔画像診断が浸透してきている途中ですから、放射線科として今後働く環境も多様になりつつあり、育児中でも女性医師の活躍の場が広がっていくと思います。
ただ実際は放射線科自体がどんなところかよく分からないという研修医の声も聞くので、短期間でもローテーションで回ってきて頂けたらと思います。
岩佐
放射線科は基本的には他科と比べてオンとオフの切り替えがしやすく、比較的自分のペースで仕事ができるので、子育て中であっても仕事を継続しやすいのではないかなと思います。
育休から復帰してすぐの頃は仕事と育児の両立で悩むことも少なからずありましたが、医局の先生方に支えていただき、現在も楽しく仕事を続けることができています。
いつかは私も後輩の先生方をサポートできるような存在になれればと思います。
少しでも多くの方が放射線科に興味を持ってくれると嬉しいです!