EDUCATION
ヘルスケアイノベーションコース
目的
高齢化社会、医療過疎、大震災などの自然災害に加えて新型コロナウィルス感染が新たな脅威となり、今後の日本は「想定外の災禍と共生する高齢化地域社会」という課題と向かい合うことになります。必要となるのは、①平時から可能なかぎり健全な状態を維持すること、②次々と形を変えて到来する災禍に対応できる新たなワザやモノをそのつど創出していくことです。ヘルスケアイノベーションコースでは、「人と人の繋がり」をベースとして、医工学的な切り口でヘルスケアに関連したイノベーションを創出できる人材を育成します。一方、地域の中核としてこれらを担いつつ、高度医療も提供する大学病院では、ますます細分化された「縦割り」構造のため、本来持っている力を必ずしも十分発揮できていない現状があります。それに対し、領域横断的な視点で「壁に阻まれ埋蔵状態のリソース」を発掘し活用する役割を持つInnovative Resource Manager (IRM)を育成します。IRMは、インシデントなど医療安全の課題を解決し、縦割りによるムダを削って病院経営にプラスの効果をもたらし、埋蔵リソースから新たな価値を見いだすことに貢献します。
本コースでは、このような活躍をしたい、あるいはヘルスケア関連の企業やベンチャービジネスで能力を活かしたいという意欲のあるメディカルスタッフや工学系の若手を対象とします。まず医学、工学の基礎知識を身につけ、システムデザイン工学や人工知能、イノベーションや起業のノウハウを学び、さらに組織行動マネジメント、リスク?クライシスマネジメント、地域医療の課題、病院経営などの講義で知見を広めます。講師陣には、グローバル企業やベンチャーで起業されている方も含まれ、見方、考え方に大きな示唆を得るとともに、コース修了後の進路を考えるにあたって大いに参考になるでしょう。2年間で自分のテーマに関して研究開発を行い修了となりますが、その後医療施設、行政、起業などさまざまな分野での活躍が期待されます。
アドミッションポリシー
【知識?理解】
医科学に関連する自然科学ないし人文社会科学分野について、学士課程修了相当の基礎的な知識と文献読解力を有している。
【思考?判断】
既得の基礎知識をもとに、医科学のトピックスの概要を理解し、自らの研究課題を提案できる。
【関心?意欲、態度】
ヘルスケアイノベーションコース- 医学、工学の知識、技術を深め、地方都市が抱えるヘルスケアの課題解決に役立つ新たな知見、革新的技術の創出および人材育成に取り組む意欲がある人
- 情報技術、人工知能、システムデザイン工学、リスクマネジメントなどの知識をベースに、デジタルトランスフォーメーションにより病院の機能改善、経営戦略、医療安全などに貢献する意欲がある人
- 医療機関あるいは産学官などの異分野、多組織間の縦割り構造を超え、円滑な連携のキーパーソンとして活躍する意欲がある人
- ヘルスケアに関連するイノベーションやベンチャーの立ち上げ、企業での活躍をめざし、知的財産、経営、 法規、規制等の専門的な知識を身につけて活躍したい意欲がある人
【技能?表現】
医科学に関する自らの興味について、口頭や文章によって簡潔かつ論理的に伝えることができる。
研究指導教員及び主たる研究内容
研究指導教員 | 所属講座など | 主たる研究内容 | 文系 | 理系 |
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佐藤 隆幸 | 生理学 | 医療機器の開発と事業化支援 | ? | ○ |
菅沼 成文 | 医療学(予防医学?地域医療学分野) | 職業性呼吸器病学,産業保健,環境医学,国際保健 | ○ | ○ |
未定 | 医療学(連繋医工学分野) | 未定 | ? | ○ |
山上 卓士 | 放射線診断?IVR学 | 形態画像の研究、機能?代謝画像の研究、インターベンショナル?ラジオロジー(IVR)に関する研究 | ? | ○ |
河野 崇 | 麻酔科学?集中治療医学 |
|
? | ○ |
北岡 裕章 | 老年病?循環器内科学 | 心筋症の成因?病態及び動脈硬化と臓器障害に関する研究 心不全の病態解明と予後改善の方策の研究 |
? | ○ |
數井 裕光 | 神経精神科学 | 精神疾患の精神症状の発現機序の解明と治療法の開発、脳神経画像学的研究、地域精神医学的研究 | ○ | ○ |
池内 昌彦 | 整形外科学 | 運動器の痛みに関する基礎的及び臨床的研究 脊椎?関節疾患に対する新規治療法の開発 リハビリテーション福祉機器の開発 |
? | ○ |
井上 啓史 | 泌尿器科学 | 泌尿器腫瘍の遺伝子解析による病態?機能解析 光線力学技術に基づく新規診断?治療法の開発 |
○ | ○ |
兵頭 政光 | 耳鼻咽喉科学 | 嚥下障害に対する新規治療法の開発,音声障害の病態評価と治療,頭頸部癌の病因に関する分子生物学的アプローチ | ○ | ○ |
上羽 哲也 | 脳神経外科学 | 脳腫瘍の遺伝子解析並びに脳腫瘍幹細胞に対する治療法の開発 脳卒中リスクの管理と治療法の開発および病態解明のための脳循環代謝について 脳卒中および頭部外傷後の高次脳機能障害に対する新規治療法の開発と病態解析 |
○ | ○ |
○は,受け入れ可能講座等を表します。