各科の一般的、先進的な治療?手術など
一般的治療
診療科(部)名 | 消化器内科 |
手術?治療名 | ラジオ波焼灼療法(RFA) |
対象となるがん病名 | 肝細胞がん(一部の転移性肝がん) |
超音波診断装置により肝臓にできた癌を抽出し、画面を見ながら経皮的に治療用の針を挿入し焼灼する方法です。針の先端から電磁波を出して、直径2cmまたは3cmの範囲で球形に焼灼されます。生体および肝機能に与えるダメージが少なく、肝機能が比較的悪い場合でも適応になるのも特徴です。癌とともに癌周囲の正常肝臓も含めて焼灼することで、3cm未満の癌であれば非常によい治療成績が期待できます。
最近では、横隔膜直下の部位的に抽出困難な癌や主要胆管に隣接する癌についても、人口胸水や内視鏡的胆道ドレナージを併用することで焼灼が可能となっていますし、エタノール注入との併用で、さらに焼灼範囲を拡げる工夫もされています。また、超音波診断装置による抽出が不明瞭な場合は、腫瘍の穿刺が困難です。腫瘍の存在および辺縁を明瞭にするため、超音波用の造影剤を使用することで正確な穿刺が可能となります。
診療科(部)名 | 消化器内科 |
手術?治療名 | 経カテーテル的肝動脈化学塞栓療法(TACE) |
対象となるがん病名 | 肝細胞がん(一部の転移性肝がん) |
肝細胞癌の多くは肝動脈の分枝から栄養を得て成長します。この栄養血管にカテーテルを挿入し、 制癌薬および塞栓物質を注入して栄養血管を閉塞させる方法です。塞栓に使用されるカテーテルは直径0.58~0.73mmと非常に細いため、腫瘍の栄養血管だけを選択的に塞栓し、健常な肝臓に与える影響を少なくすることができます。
この治療法は、肝予備能が非常に悪い場合を除いて、癌の大きさ、個数を問わず適応になります。とくに多発例においては繰り返し行うことで、腫瘍の進展を緩徐にする効果が期待できます。当科では、ラジオ波焼灼療法の適応となる3cm以下の肝細胞癌に対しても、ラジオ波針の穿刺時の出血および播種などの合併症を予防するためTACEを併用しています。