ポーランドの女性研究者の現状についての特別講演会を開催しました
2015.10.13
平成27年10月13日(火)、男女共同参画推進室では「レアメタル戦略グリーンテクノロジー創出への学際的教育研究拠点の形成」事業による講演会に合わせて、女性研究者の生活と研究環境についての講演会を開催いたしました。
講演会では、ポリオキソメタレード錯体を使った酸素の電気化学還元に関する研究を展開されている若手の研究者であるモニカ・ゴーラル博士に、母国のポーランドにおける女性研究者の現状についてお話しいただきました。
博士は、マリー・キュリー(Maria Sklodowska-Curie)を例に挙げ、ポーランド社会には女性科学者が活躍する素地があること、女性研究者が多いことには社会経済的な背景も影響していること、そして女性研究者をサポートする体制があることを紹介くださいました。
博士の所属する研究機関では、3名の理事のうち2名が女性であるほか、総数128名の研究者のうち、約半数の63名が女性とのことです。また、同機関に在籍する博士課程の学生も40名のうち36名が女性とのことでした。
博士によれば自然科学分野における女性研究者数が多いことは事実としたうえで、例えば職位について見ると、教授では79.7%(2010年)が男性と指摘しました。また、年々この状況は改善に向かっているが、2013年に教授に就任した研究者は641名で、そのうち女性は29.6%の190人であったとのことです。このように、多くの女性研究者が活躍するポーランドですが、教授などの上位職に就くためには、研究と生活の両立の課題もあるようでした。
博士は女性研究者の両立支援が充実しており、ポーランドの女性研究者は家庭を持ちながら研究を継続することを当然と考えていると言います。そして、子どもがいることは、研究者生活においても+になる財産であると、笑顔でお話になりました。
博士より講演会の資料を提供していただきましたので、関心がある方はご覧ください。
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