研修医についてはこれまでよりも研修期間が短くなることを考慮して、まずスムーズに研修のスタートがきれるようにビデオ映像を使用して麻酔準備、薬剤管理、モニター?医療機器管理、様々な医療手技の説明を行い、手技に関しては可能なかぎりシミュレーターを用いたトレーニングを行った後に担当患者の麻酔管理に従事することとしています。
ビデオ映像、シミュレーターは必要なときに反復して使用することが可能であり、また、手技については現時点で標準的な方法を行うことで担当する上級医によって研修医が混乱しないように配慮しています。
モーニングカンファレンス、抄読会を行うことで麻酔の基本的な知識から最新の研究まで幅広く知見が得られます。また、定期的に行われるセミナーや学会等にも積極的に参加してもらい充実した研修ができるようにサポート体制も整っています。
麻酔科での研修目標として、 静脈確保や気管挿管といった必修の基本手技やあらゆる病態の全身管理を学ぶことが挙げられます。これらの研修は医師にとって重要度が高く研修医の期間に習得すべきものです。
現在、 当麻酔科には優秀で個性的な指導医が多く存在しており、 研修医一人一人に適した研修を行うことが可能です。
では、 良い研修を行うために重要なことは何でしょうか? 各個人で研修期間内の到達目標を明確にすることはもちろん大切です。しかし、 最も重要なことは、 その目標について研修開始前に指導医と十分に話し合うことです。もちろん途中からでもトライしたいことがあれば積極的に申し出て下さい。研修中のトラブルの原因の多くはコミュニケーション不足によるものがほとんどです。それを防ぐためにも自分の意思を伝えることを躊躇わないようにして下さい。
研修医の時期は、 あらゆることに興味をもち、 またフットワークが軽く様々なことに挑戦できます。指導医も研修医から刺激を受けることが多くあります。お互いが切磋琢磨できる環境が理想的であると思います。
これからも多くの研修医が麻酔科で充実した研修を送れるように、 サポートできればと考えております。
河野 崇
初期研修医の先生方は現在、1カ月から研修期間を選択することが可能で、希望に応じて期間を延長することができます。十分に基本手技を取得するためには2カ月以上の研修期間をとられることをお勧めしますが、研修開始前に個々の先生の希望を聞いた上で、充実した研修が送れるようにしています。集中治療室や緩和ケアを中心として研修も選択することができます。
しかし、これらの領域は麻酔科学の知識、手技が土台として非常に重要となります。そこで、原則として当院および関連病院で3カ月以上、麻酔科研修を選択された方を対象とさせていただいています。以下に基本プログラムを示しますが、希望に応じて変更することも可能です。興味のある方は是非、当講座までお問い合わせください。
ここでの経験はきっと役に立つ…
研修医:荻野慶隆先生
研修を始めた頃、指導医の先生方にはすぐにある程度までは一人でできるようになると言われましたが、先生方の指導を自分の中でやっと消化できたかなと思い始めたのが、研修1ヶ月前後でした。要領の悪い自分でも研修1ヶ月前後で麻酔維持や挿管、抜管などをさせていただけるようになったので、普通は1ヶ月かからずそこまでは到達できるのだろうと思います。しかし、自分にとってはそこから先が麻酔科研修の中で最も勉強になった期間だったと思います。
外科系を考えてる先生は麻酔管理の経験が将来の役にたつと思いますし、内科系を考えてる先生もICU管理を通じて学べることも非常に大きいと思います。しかし、何より手技や麻酔準備、指導医の先生からの指示を、なぜ、それを行うのか等を学ぶ基礎の期間、ある状態に対してなぜそうなったのかを考え、それに対してどうしてこの対処をしたのかを説明できるように考えながら麻酔管理をする、学んだことを自分なりに応用していく期間、このような姿勢で考える期間を過ごすことは非常に有意義であると思います。そして、それには1ヶ月では不十分であり、少なくとも2ヶ月は必要であったと思います。 またここの麻酔科は、研修医が正しい基礎を身につける事と、その応用の仕方が間違っていないかを確認してくださる先生がそろった科だと思います。将来どの方向を考えていても、ここでの経験はきっと役に立つと思います。