総合人間自然科学研究科 農林海洋科学専攻
Marine Resource Science Course
清流が流れ込む豊かな里海?土佐湾や、東南アジアから日本までつながる黒潮海域など、恵まれたフィールドを活かして、水産資源や海洋生物資源の持続的かつ高度な生産?利用について先端研究や産官学連携活動を行っています。
次世代の産業発展の鍵といわれる海底資源。太平洋の深海底に眠るマンガン団塊や海底熱水鉱床、メタンハイドレートなどの海底鉱物?エネルギー資源について、成因の解明や環境影響評価、化学的利用法の探求などに取り組んでいます。
未利用資源の宝庫である海。日本近海だけでなく、世界の様々な海域や深海に生息する海洋微生物を対象に、その探索や遺伝情報の解析、遺伝資源の有効活用などについて研究を行い、産業や医療、地球環境保全などへの貢献を目指します。
シガテラ中毒や赤潮の原因となる海産有毒?有害藻に関する研究や、植物プランクトンの遺伝子改良による、バイオ燃料等の有用物質の生産に関する研究に取り組んでいます。
赤潮、貝毒、魚毒、有害?有毒プランクトン
水圏生物の生息する環境と進化?適応に着目し、生化学的なアプローチでその利用法を探索します。
深海生物、無脊椎動物、バイオテクノロジー
干潟やマングローブなど汽水域に生息する魚類やカニなどの水生生物の生態と保全について、現在は特にマイクロプラスチック汚染にも注目して、研究を行なっています。
汽水域、生態、保全、プラスチック汚染
養殖場や河川で起きる魚病の問題は深刻です。現場との連携のもとに、そうした魚類病原体の感染実態を解明して解決に導く町医者的な研究に取り組んでいます。
養殖、河川、ウイルス、細菌、原虫、寄生虫
ポリオキソメタレートと呼ばれる物質を世界に先駆けて合成し、その電気化学的酸化還元挙動を解析しています。その物質が、将来のエネルギー問題等を解決するかも...
ポリオキソメタレート錯体、電気化学
微生物由来有用な化合物(天然物)の発見を目的とし、海洋微生物を単離?培養し、微生物が生産する天然物の生態?生合成?応用研究を行っています。
海洋微生物、生合成遺伝子、天然物、微生物間相互作用
海底に存在する鉱物資源とそれを取り巻く地層を対象に、資源の成り立ちや海底環境の特徴を明らかにすることを通し、海や地球を知る楽しさを共有することを目指しています。
海底鉱物資源、地質構造、物質循環
陸上養殖に着目し多分野の研究者と協働して、センシング技術による感染制御、アクアポニックスの概念を応用した次代の陸上養殖システムの構築に関する研究を行っています。
細菌感染、感染制御、陸上養殖、センシング
海水に含まれる元素の挙動と分布の解明に向けた究極の観測法は、高感度?高精度の化学分析を現場(海中)で行うことです。当研究室は新たな海中観測機器の開発しています。
現場計測、環境試料分析
レアメタルを含む固体触媒を用いて、メタンやバイオマス、CO2などの安価で豊富な資源から水素や化学品をつくる研究を行っています。
固体触媒、メタン?バイオマス?CO2転換
主にサンゴ礁域に生息する褐虫藻を海から分離し、それを人工培養しています。褐虫藻に含まれる我々に有用な成分の発見と利用について研究を行っています。研究成果の産業利用を目指しています。
共生微細藻、褐虫藻、天然物化学
創薬や機能性材料の創造に有効な新しい化学反応の開発や、反応メカニズムの解析、生体分子の構造解析などを、実験とコンピュータシミュレーションによって研究しています。
有機反応、コンピュータシミュレーション
黒潮の影響を強く受ける温帯域の高知県沿岸で観察される熱帯?亜熱帯とはひと味異なる豊かな造礁性サンゴの群集を解析しています。水産食品もたまに研究しています。
温帯の造礁性サンゴ、遺伝子、染色体、タンパク質
当研究室は、植物、藻類、バクテリア等の幅広い生物を研究対象とし、DNA配列をはじめとする大量なデータとコンピュータを駆使し、生物が持つ力の理解を目指しています。
ゲノム、バイオインフォマティクス、遺伝子機能
魚介類について保全遺伝学、保全生態学見地から地方品種(在来種)の保全を考え、それらの生理生態学的差異を品種改良に生かしていくための研究を進めています。
魚介類、品種改良、集団遺伝学、河川生態系
分子生物学的手法を足掛かりとして、主に深海も含む海の細菌について、基礎から応用まで研究しています。最近は、プラスチック分解菌、薬を作る菌、燃料生産菌などを研究しています。
環境浄化、リサイクル、創薬、バイオ燃料
海や湖沼で植物プランクトン等が大量に発生して水面が着色する現象を赤潮と呼びます。我々は主に赤潮原因プランクトンに感染するウイルスについて研究しています。
ウイルス、赤潮、沿岸生態系、生物間相互作用
魚類の種数の多さと温暖化による沿岸環境の変化が大きいことで知られる土佐湾を舞台に、魚類の行動?群集生態や、魚類の生息場所の保全?再生に関わる研究を行っています。
魚類生態学、海洋生態学、温暖化、環境保全
人の健康寿命が注目される中、細胞の老化に焦点を当て、そのメカニズムを探索。細胞の老化にミトコンドリアが関わることを突き止め、その機能向上の方法を解析しています。
小胞体、ストレス応答、薬理作用、癌
地殻流体の新しい地球化学ツールであるリチウムの同位体ツールを用いて、前弧域下におけるスラブ起源流体が地震等の地殻変動に関わる影響の解明に取り組んでいます。
地殻流体、温泉、地震、火山、断層、元素循環
熱水鉱床が今まさに萌芽する深海底熱水活動域では、活発な物質循環が起きています。海洋への物質収支と、環境影響を地球化学的手法により解明する研究を行っています。
海底鉱物資源開発、環境影響評価
養殖魚(ブリ?マダイ)の体の仕組み(食欲、摂餌、消化、成長、代謝)を明らかにすることで、より良い養殖魚用飼料の開発を行っています。
魚類生理学、ブランド養殖魚、養殖魚用飼料
魚類の摂餌生態や消化生理ならびに栄養代謝の特徴を調べて、養殖魚の飼育や飼料開発に役立てるとともに、養殖現場における栄養飼料の課題を解決します。
魚類養殖、栄養、飼料、消化生理
海岸生物の多様性や進化についての研究を行っています。野外観察と遺伝子解析を通して生物多様性を生み出すメカニズムについて迫ります。
海岸生物、無脊椎動物、外来種、種分化
研究船に乗って海底資源の海洋調査をおこない、実験室では資源試料の構造解析や同位体分析などの各種解析から、資源形成のメカニズムの解明に向けて取り組んでいます。
海底資源、海洋調査、同位体分析
(1)養殖魚の肉質特性の把握及びその改善方法に関する研究と(2)魚肉タンパク質の機能性(ゲル形成特性)とそれに係わる組織構造に関する研究)などに取り組んでいます。
養殖魚、水産物、品質、肉質、鮮度、コラーゲン
海洋環境を知る?守る研究に取り組んでいます。有益?有害プランクトンといった微生物たちの"生きざま"をウイルスや栄養塩(リン)の変動と関連づけて解明していきます。
微生物、植物プランクトン、赤潮、リン循環
核磁気共鳴(NMR)法や磁気イメージング(MRI)法を用いて、分子の三次元立体構造や動的挙動解析など様々な物性解析研究に取り組んでいます。
磁気共鳴、NMR、MRI
黒潮をはじめとする海洋の表層流がどこをどう流れているのか、なぜそこを流れているのか、データの海で考えます。
海洋表層流、黒潮、漂流
シアノアクリレートナノ粒子による各種魚病細菌に対する抗菌活性/高知県浦ノ内湾の造成カジメ海中林に出現する魚類の群集構造/遺伝子改良によりバイオ燃料を高生産する海産珪藻の創生/高知県野見湾の海産白点病に関する研究/マダイの新規肉質評価手法の開発を目指したコラーゲン合成遺伝子に関する分子生物学的研究/仁淀川における在来アマゴの遺伝的特徴/海産微小珪藻の休眠機構に関する生理?生態学的研究/アオリイカおよびスルメイカの卵膜膨張誘発に関する生化学的考察/ミールワームを利用した開発途上国に適した飼料の開発/マングローブにおけるベンケイガニ類の生態/ブリの脂質代謝に基づく飼料中脂肪酸組成の最適化