海洋資源科学科

海底資源環境学コース

Learn the Lase Frontier地球最後のフロンティア、海底を学ぶ

地球掘削科学の世界拠点?海洋コア国際研究所を拠点に、海底鉱物?エネルギー資源の開拓に必要な技術創出や、開発に伴う海洋環境への影響観測?評価などについて学びます。

Course Featuresーコースの特徴ー

工業製品の必須素材であるレアメタルを多く含む金属鉱石が海底熱水噴出域で発見されて30年が経ち、公海での海底鉱物資源開発が今まさに始まろうとしています。一方で、資源開発による生態系への影響や、資源ナショナリズムの高まりなど、解決すべき問題も残されています。私たちのコースでは、海底資源の持続可能な利用や、金属資源の高付加価値化を担う海洋人材を育成します。

コース紹介

Curriculum Mapーカリキュラムマップー

海底資源学演習?海底資源分析実験 | 3年次

海洋コア国際研究所の学生実験室を中心に、高知城周辺の地質巡検もあれば、研究所の先端分析機器を使用した海底鉱物試料の物性?化学分析に取り組んだり。金属資源の利活用にも通じる化学合成実験もあれば、合成金属の機能性を利用した水質分析を行ったり。海水の塩分に関する様々な分析手法を行い、各分析手法の特徴を議論したり。 コース教員の専門分野に関係したテーマについて、実験からデータ処理までの流れを体験し、海底資源を科学的に俯瞰する力を修得します。

Course Modelー履修モデルー

海底資源に関連する
地球科学を学び
最先端の研究ができる

1、2年生では様々なフィールドを体験し、また、デジタル活用に必要な基礎を学びます。3、4年生では専門科目、卒業論文などを通じて、海底資源に関する研究を深めるための知識?技量を身に付けます。
海底資源環境学コースでは、地学、化学、物理学の分野から、「海底資源」の探査と環境保全も視野に入れた開発に貢献できることができ、周囲の環境からその形成メカニズムを理解することができる人材を養成します。
「いろいろな科目があるけれど、何を履修していけばいいのかわからない...」そんな声にお応えできるよう、興味や進路に対してオススメの履修モデルを準備しています。 履修モデルはみなさんの興味に応じて変更することができます。

履修モデル例
基礎系:資源探査等の技術で社会に貢献したい
化粧品メーカー
応用系:金属物質の高付加価値化技術で環境負荷を減らしたい
化粧品メーカー
環境系:環境モニタリングで開発時の環境影響を低減したい
化粧品メーカー

Faculty Introductionー教員?研究室紹介ー

錯体化学?電気化学?分析化学

上田忠治 教授

新規合成POMで
社会貢献

研究室では、世界に先駆けて新しいポリオキシメタレート(POM)の合成を行っています。この物質は、酵素を介して結合する大きな分子です。ポリオキシメタレートは、非常に多くの特徴を持っています。
最新の分析機器を用い、得られた電子の振る舞いを解析しています。これにより、新しい化合物の設計や、それを用いた製品の開発に取り組んでいます。

蓄積学?資源地質学
文化財科学

浦本豪一郎 講師

深海底の鉱物資源を利用する

深い海の底から更にその下、深海底の地層に含まれる鉱物、特にマンガンなど金属を多く含む鉱物の特性に関する研究を行っています。更に、深海底地層の研究で培った分析技術を、過去の深海底で形成された石材を利用して生産される伝統工芸品(土佐硯や土佐和紙)の原材料となる石の分析に応用し、伝統工芸と連携した研究も展開しています。地質学の技術を様々な分野に活用し、地質学がもたらす魅力や価値を多くの方々と共有することを目指しています。

有機化学?構造解析化学

岡村慶 教授

海底下の熱水循環を
”見る”

海洋底や海底面での流体挙動の観測を行っています。現場での検測を通じて新しい開発を進めています。
私の研究内容は、低周波観測原理といった基礎技術の開発と発明、民間企業との共同による装置開発と展開、更には装置利用による実地観測とその解釈まで、幅広い範囲をカバーしています。

植地球生命科学

奥村知世 准教授

堆積物から環境変遷や
生命活動の履歴を読み解く

炭酸カルシウムから構成される堆積物は、生物活動や環境条件の相互作用のもとで形成されます。炭酸塩堆積物を、地球化学?堆積学?生物学といった分野横断的手法を用いて解析することで、地球生命史や環境変動史の詳細を明らかにする研究を進めています。

触媒化学?水熱化学
電気化学

小河脩平 准教授

高性能触媒を開発する

様々なレアメタルを含む高機能な触媒材料(レアメタル触媒)の合成と、レアメタル触媒を活用した高効率な物質変換手法の開発を研究対象としています。
レアメタルを効果的に活用し、多様な資源から燃料や化学品を作り出すことを目指しています。

地球化学?地球資源学

田中えりか 助教

深海4000mの世界から6600万年の歴史に思いを馳せる

深海4000mを超えるエリアの海底堆積物を使い、新生代(6600万年前から現在)を通じて地球や海洋がどのような環境変動を経験してきたかということを、地球化学の観点で調べています。
また、そのような長期間の地球表層の変化の中で、レアアース泥と呼ばれる海底鉱物資源が「いつどのように形成されてきたのか」ということにも注目しています。
研究航海への乗船を積極的に行い、そこで採取した海底堆積物コアの化学分析を軸に研究を進めています。

同位体地球化学
地球内物質循環学?地殻流体科学

西尾嘉朗 准教授

断層付近の湧水で
地球活動を予測

同位体比という元素指標を用いて、海底資源を始め、地震や火山などの地球の謎を解く研究を行っています。近年では特に、沈み込んだプレートから放出される水を中心に研究をしています。
高知コアセンターにある最先端の質量分析装置で様々な同位体を測定し、得られた情報をもとにその水の起源を探っています。

分析化学?地球化学

野口拓郎 准教授

海底下長期観測システムの開発

深海底で形成される有用な金属鉱床や海底熱水活動による物質循環を研究しています。海底熱水活動によって、どのような元素がどれだけ海洋に供給されるのか正確にはわかっていません。本研究室では、海洋への物質供給量の推定と、海洋に供給された物質が熱水噴出孔周辺の環境に与える影響の定量的評価を目指しています。

海洋底地質学?海底資源学
同位体地球化学?古海洋学

村山雅史 教授

同位体元素で地球を観察する

本研究室では、海底資源における形成メカニズムの解明を目的とする研究を行っています。
メタンハイドレートなど、これらの海底鉱物資源は、いつ、どこで、どのような環境の中、形成されたのでしょうか。私は実際に学生とともに研究船に乗り、海底から採取したこれらの試料を、X線CTを使って観測しています。観測内容は主に、内部構造や、元素分析、年代測定のための同位体分析です。
これらの地球化学的手法を使って、海底鉱物資源の形成メカニズムの解明を進めています。

海洋物理学

寄高博行 教授

黒潮の流れを読み解く

本研究室の研究分野は、海洋物理学です。海洋物理学の対象は、波浪、潮流、海流など海水の動きです。
現在取り組んでいる研究課題は、日本の南で四種類の流路を取る黒潮が、なぜそのルートを通るのかということと、高知県の沿岸で突発的に生じる強い流れの原因究明を行っています。

Voiceー1年生Interviewー


上西歌門
2024年度入学 |  前期 | 兵庫県出身

海洋コア? なんかすごいことできそう!

志望動機は?

小さい頃からカヌーをしに毎年高知に来ていて、高知は第2の故郷のような感じ。物理が好きで、環境と自然をキーワードに自分のやりたいことを考えていたら、「海底の資源?えいやん。海洋コア?なんかすごいことできそう!」と本コースに興味を持ちました。理工学部と迷ったけど、オープンキャンパスにも参加した結果、フィールドワークが多そうな農林海洋科学部に決めました。


将来のビジョンは?

大学で学んだことを活かした仕事に就きたいと考えており、より専門的な知識を求めて、大学院への進学を前向きに検討しています。


受験生へのメッセージ

大学受験を通して、早い段階で”見切り”をつけることが大事だと感じました。”見切り”というのは、諦めという意味ではなく、自分の現在、過去と向き合いこれからの未来を考えるという意味で。私自身は188足球直播_篮球比分¥体育官网への進学を意識し出したのは高2の夏くらい。それからは188足球直播_篮球比分¥体育官网というゴールを意識しながら受験勉強ができたと感じています。自分の進学先を意識するのが早ければ早いほど、他の生徒より有利に働くと思います。



山本悠介
2024年度入学 |  前期 | 兵庫県出身

海に山に。四国の美しい自然を堪能中!

志望動機は?

自分のやりたいことができそうだったのは、東京海洋大学か本コースでした。その中で高知の方が海は圧倒的に綺麗で、進学を決めました。休みの日には、ヨットセイリングを楽しんでいます!また、最近、ワンダーフォーゲル部でも活動しており、この前は石鎚山の天狗岳に登頂しました!高知県周辺には海だけではなく山もあります!自然には事欠かせないですね!


将来のビジョンは?

具体的にはまだ考えられていませんが、皆さんの役に立てるような仕事をしたいと考えています。誰かの役に立てるときほど嬉しいことはありません!


受験生へのメッセージ

共通テストも私達の代と比較しても一層難しくなり、勉強が大変だと思います。推薦入試組は早く受験も終わり、羨ましいと感じることでしょう(笑)。
しかしながら、友人と共に勉強に取り組む時間は入学後振り返ってみればかけがえのない時間だったと感じられると思います!今の時間も楽しんでください!

Associated Facilityー関連施設紹介ー

地球掘削科学に関する
国際的な共同研究拠点

188足球直播_篮球比分¥体育官网海洋コア国際研究所

海洋コアの総合的な解析を通して地球環境変動要因の解明や海洋底資源の基礎研究を行うことを目的とし、全国共同利用施設として設立されました。 2004年から海洋研究開発機構(JAMSTEC)と共同運用を行っています。本研究所は、海洋コアの冷蔵?冷凍保管をはじめとし、コア試料を用いた基礎解析から応用研究までを一貫して行うことが可能な研究設備を備える、国内唯一の研究機関です。2007年からは、国際共同研究プロジェクトである統合国際深海掘削計画[2013年10月~国際深海科学掘削計画](IODP)における世界三大拠点のひとつとして、本格的な活動を開始しました。
本学の学生も、研究所が保管する世界の海底コア試料や最新設備を利用して研究を行ったり、海洋調査実習船に乗って世界の海に調査航海に出たりすることができます。また、海外の研究者と触れ合えるチャンスが多いことも魅力です。
必要なのは、積極性と熱意! 興味がある人はぜひ、関連する授業を受講してみてください。

海洋コア国際研究所 見学ツアー

Career Pathー進路についてー

主な就職先?進学先

公務員

名古屋市役所、厚生労働省長崎労働局、徳島県庁、大阪府庁(環境職)

民間企業

<資源?地質系>
深田サルベージ建設、石油資源開発、増田地質、東洋建設、中央開発、日本非破壊検査、応用地質
<金属?材料?エネルギー系>
住鉱テクノリサーチ、中国電力、日鉄テクノロジー、日亜化学工業
<環境分析系>
東京パワーテクノロジー、アトックス、オオスミ、フソウ
<その他>
情報?販売?サービス?製造業など、四国高速運輸、徳島日産自動車、日立造船、エクストリンク、徳島大正銀行、三浦工業、ダイセイ、スマートテック、三谷建設工業、日塗、サンエックス、新来島高知重工、国際自動車 ほか

進学

188足球直播_篮球比分¥体育官网大学院