ロールモデル講演会詳細
2014.04.23
講師の藤川さんは日本女子大学を卒業後、憧れだった青年海外協力隊に参加し、ネパールのゴダワリ植物園で2年半にわたり植物学に係る活動に従事しました。そして、休暇中のヒマラヤ登山で出会った「ワタゲトウヒレン」という高山植物に魅せられて、「これはいったい何?」「知りたい」という好奇心から大学院進学を決意。日本でヒマラヤの植物を研究できる大学院を調べ、苦手だった英語を克服するために、得意科目の生物学を英語で学ぶという方法を選択し、志望校に合格。青年海外協力隊の時の積立金を学費に充てて、東京大学大学院に進学しました。
そして、修士課程の時にパートナーと結婚、博士課程の2年生の時には出産を経験。そこで、結婚によって良き相談相手を得たと同時に、育児と研究を両立させるためのモチベーション維持と、着実に研究を進捗させるために、研究の目的を明確化することの大切さを実感したそうです。そのときの経験から、研究もひとつの「プロジェクト」と考え、研究結果を成し遂げるためには「マネジメント力」を磨くことが重要と考えました。
現在、藤川さんは高知県立牧野植物園で研究員として基幹研究80%と個人研究20%の割合で研究をしています。また、JICA(国際協力機構)の草の根技術協力プロジェクトでミャンマーの植物多様性の調査を実施中で、定期的にミャンマーと日本を行き来する、多忙でも充実した日々が続いているようです。
最後に、藤川さんは、これまでの経験から、1)アンテナを高く感性を磨く 2)段取り力を付ける 3)味方を増やす 4)ベストを尽くす 5)最後までやれば失敗ではない 6)技術習得・修練を怠らないと、研究員としての6つの心得を紹介されました。
そして、高校生までの勉強と大学生からの研究は異なる。何でもすぐに先生に聞くよりも、自分で調べて、調べて、調べて、それでもわからなかったとき、自分はこういう方法で調べたが、わからなかった。他にどのような方法がありますか?と聞く。そういう姿勢で学ぶことで、身に付く知識や技術が多くなる。そして、10年後の自分、なりたい自分の姿、成功のイメージを妄想ではなく具体的に思い描くことが大切、と未来の研究者たちにエールを送りました。
朝倉キャンパスでの講演会の模様
朝倉キャンパスでの講演会の模様
講演会終了後には、藤川さんを囲んでの交流会を開催し、参加した学生たちは講演の内容や日頃悩んでいることなどについて思い思いの相談をしていました。