「教員と教員を目指す人のためのデートDV研修講座」を開催しました
2014.06.18
男女共同参画推進室では、平成26年6月18日に「教員と教員を目指す人のためのデートDV研修講座」を開催し、62人の参加者がありました。
始めに、男女共同参画推進室の小島優子特任助教がこの研修講座の趣旨説明を行いました。この講座は、こうち男女共同参画センター「ソーレ」が、平成24年に開発したデートDV啓発研修資料を多くの人に活用してもらうために開催しているものです。高知大学男女共同参画推進室では、デートDVについて学生から相談にのる立場にある教員や、教員を目指している学生、保護者などを対象として講座を実施しました。
講師の山中千枝子氏は、公立中学校、(財)高知県人権啓発センターを経て、現在は千斗枝グローバル研究所代表として、研修、講演、啓発活動を担当されています。
まず、恋人に「私以外の人と話をせんとって」と言われたらどうするかについて、賛成と反対に分かれて、ディベートを行いました。賛成意見としては、「人間が成長するのは恋愛だけによるのではない」、「本やエッセイを読んで学ぶこともある」などがありました。それに対して反対意見としては、「束縛することによって対等な恋愛をすることはできない」、「いろいろな人と話をしなければ視野が狭くなる」、「恋人の自由を奪うのはおかしい」などがあり、白熱した議論が展開されました。
次にディベートで議論した「私以外の人と話をせんとって」は、デートDVかどうかについてグループに分かれてディスカッションし、デートDVだと思うことを模造紙に書きこみました。例えば、連絡を強要すること、「LINEすぐ返してね」「今から来て」「すぐ来て」と言うことなどがデートDVではないかという意見が出ました。
各グループが書いた模造紙を、参加者同士で見せ合いをした後に、山中先生からデートDVについて話がありました。
日本社会にはお父さんが一番偉い、お母さんは服従すればよいという家父長制が残っています。人間関係の中にこのような支配―服従関係があると、DVが発生します。ここには自分を優位に立たせるために他人を蹴落として支配しようとする関係があります。
しかし、自分の言いなりになるように人を支配するのは、男女共同参画の関係ではありません。何かがあった時には、まず一人の人間としてどうかということを考える必要があります。この延長線上で、今まで闇の中に隠れていたDVの問題が表に現れてくるようになりました。
力や支配―服従ではない、愛による関係を築く必要があります。そのためには「俺の言うとおりしいや」「私の言うとおりして」と言う関係をやめる必要があります。自分が愛されていなければ愛することはできません。皆が幸せにならなければ、対等な男女共同参画は成り立ちません。民主的な世の中を作っていきたいということが、山中先生が参加者に伝えたいことでした。
「教員と教員を目指す人のためのデートDV研修講座」参加者アンケートはこちらより