第5回ワーク・ライフ・バランス講座「負担をためすぎない介護」を開催しました
2014.07.16
最初に廣瀬淳一男女共同参画室長が挨拶をしました。介護は現在、50代以上の人には避けられない課題です。そのために、介護についての取組を行うことが、組織のリスクマネジメントとして必要となります。今回、男女共同参画推進室では、教職員のリスクマネジメントとして、負担をためすぎることなく介護を行う方法を紹介することを目的として、ワーク・ライフ・バランス講座を開催しました。
次に小島優子男女共同参画支援ステーション長が、「介護の経済的負担及び高知大学の介護制度」について講演しました。
介護期間の平均値は4年9か月であり、介護にかかった費用(介護保険サービスの自己負担額を含む)は77,000円、介護にかかった一時費用(住宅改造や介護用ベッドの購入など)は910,000円です(公益財団法人生命保険文化センター 平成24年度「生命保険に関する全国実態調査<速報版>」参照)。すると、介護にかかる期間から介護費用を算出すると、5,299,000円になります。介護には経済的に負担がかかることから、どうにかして仕事との両立を図ることが必要です。そして、仕事と介護の両立のためには、情報提供が極めて大事であることを提示しました。
高知大学で平成25年2月に教職員と大学院生を対象に実施した調査によれば、50代では、女性17%、男性13%が介護をしています。そうした中で、高知大学教職員が利用できる介護支援制度を紹介しました。介護休業を取得しやすい環境整備が大切であることを指摘しました。
医療学系連携医学部門(公衆衛生学)の大浦麻絵助教より、「介護者が負担をためすぎないような介護運営について」の講演がありました。
高知県は、老年人口割合が全国2位であるのに対して、生産人口割合は全国46位であることから、介護をめぐる状況はたいへんシビアです。介護には地域性があり、高知県には「介護してきた模範的な嫁を表彰する」「模範嫁」制度の歴史がありました。介護が嫁の仕事以外の何ものでもなかった歴史に対して、皆で支え合う介護として介護保険制度が始まったという過程があります。
次に、介護負担の概念について説明がありました。介護負担とは、親族を介護した結果、介護者が情緒的、身体的健康、社会生活および経済状態に関して被った被害のことです。在宅介護成功の秘訣は、在宅介護を支える介護者の負担軽減をすることであることが紹介されました。
海外での取り組みとしては、イギリスの休息ケアが紹介されました。休息ケアとは、介護者自身の生活に必要な時間・休暇という意味です。イギリスでは、夜間の見守りサービスの実施や友達と会う時間の保証など、介護者の生活に応じた柔軟な休息ケアを実施しています。外国の事例から学べることは、介護者を守るためには、介護者自身の休息ケア、および介護者の生活の質への視点が必要なことです。それは、介護者だけでなく、被介護者を守ることにつながっていきます。
負担をためすぎない介護を行うためには、介護を行う人が誰であるか、そしてどのような介護を運営するかといった状況に応じて、介護サービスを選択することが重要です。その介護サービスを有効に利用するためには、生活が変われば絶えず見直すことが大切であることが提示されました。
- 今、現在の状況(高知県)などもよくわかり良かったと思います。これからも、情報収集しつつ、両立できるようがんばっていきたいと思います。ありがとうございました。
- 海外における介護の内容の参考になりました。
- 私自身介護を行ったことはないのですが、将来において色々と参考になりました。