ロールモデル
変化を恐れない
ノートルダム清心女子大学 人間生活学部児童学科 准教授(執筆当時)
中内 みさ
NAKAUCHI Misa
略歴
高知大学卒業、兵庫教育大学大学院学校教育研究科修了。高知江の口養護学校に10年間勤めた後、兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科に入学。終了後、美作大学(岡山県)教員を経て、現在に至る。
現在の仕事に就きたいと思ったきっかけは?
研究をしながら、一教師として特別支援教育に携わっていくつもりでした。きっかけは2年間担任していた子どもの死です。病弱養護学校でしたから、関わった子どもたちを何人も見送っていますが、彼女の死は衝撃的でした。「死に向かいゆく子どもに私は何をしてきたのだろうか」と。教師を辞める時、子どもから泣きながら電話がかかってきたりして、かなり心が揺れました。大学教員は、院修了後の就職の一選択肢でした。
研究・仕事の魅力は何ですか?
地方の小さな私立大学では、研究よりも学生指導に重きをおきます。授業や卒論研究を通して、学生たちが徐々に視野を広げてくれるのが励みです。卒業生が現場でリーダー的役割を担っていることを聞くのはうれしい。また、私の研究は、理論が実践にどう生かされるか、また実践をどのように理論化していくかがおもしろいです。第253世天台座主山田恵諦猊下の言葉をもじって「実践のみ専念していて理論のないものを愚といい、理論にのみ片よって実践のないものを狂という」を自分への戒めにしています。
現在の仕事と生活の様子
前の大学では、実習巡回指導のために、2泊3日の出張で、車で1000キロ以上走ったことも。さすがに体を壊しました。現在の大学では「学校現場における病弱児への心理的支援」をメインテーマに、特別支援教育に携わる教員の育成に力を入れています。また、大学にある児童臨床研究所所員として勤務しています。授業やゼミ、3つの実習の指導などで忙しい日を送っています。2年前に2度目の手術をしたのですが、前日入院、全身麻酔の手術をして翌日退院。1日休んで仕事に復帰し、授業・ゼミなど休むことなくこなしました。医師には休養を勧められましたが。おかげで体調がなかなか回復せず、さすがに反省しました。今は健康第一に生活している…つもりです。
近い将来の夢、少し先の夢
研究にもう少し時間をとれたらいいなと思っています。追求したいことや書きたい論文のテーマが溜まっています。病弱児支援に関する本も早く出版したいです。心理臨床実践ももっとしたい。スクールカウンセラーにも行きたいです。
これから就職する後輩たちにメッセージをお願いします
何があるかわからないのが人生。だからおもしろい。それぞれの分岐点で、迷うこと、立ち止まることがあると思います。でも、変化を恐れないでほしい。勿論、それに見合った代償は払わなければならないけど、それによって得られるものもまた大きい。大切なことは、まず自分らしく生きる、自分に責任をもって生きる、誰かのために生きることだと思います。