青山 文 先生
スタンフォード大学留学体験記をご覧頂きありがとうございます。
私は2023年9月1日からスタンフォード大学医学部 精神医学?行動科学部門 篠崎 元研究室に留学をさせて頂いております。
麻酔科なのに精神医学?と思われた方もいるかもしれません。私自身も精神科のラボへ研究留学することになろうとは夢にも思っていませんでした。このご縁はX(旧Twitter)を通じて私の研究テーマである「術後せん妄」を米国で研究されている篠崎先生の存在を知り、思い切ってご連絡させて頂いたことがきっかけでした。お互いの研究内容をZoom面談でディスカッションさせて頂き、研究コンセプトがまさに同じですね!という前向きな面談となり、河野教授にご相談させて頂き、留学を決意しました。それからあっという間に時は流れ、現在留学して早4か月が経ちました。今回は留学体験記の第一報ということで、留学時のセットアップについてご共有させて頂きたいと思います。
一言でいうと、大変でした。留学経験がおありの先輩方を心から尊敬する、そんなセットアップとなりました。
日本にいるうちに、
?ビザの取得 ?携帯電話の契約変更 ?住民票の変更 ?確定申告の代理申請
?海外用の医療保険の加入 ?国際免許証の発行 ?学会休会、専門医更新延長申請
?滞在するアパートの契約 ?現地銀行口座の開設 ?車の購入
が出来ればベストと考え準備を進めていたのですが、私が留学するタイミングで日本にいながら米国銀行口座を開設可能なサービスが一時休止されていたのです。これはかなりの誤算で、例えば私が希望しているアパートの契約には、現地銀行の口座開設と一定額の入金が条件でしたし、車の購入先も限定的になります。渡米してすぐに口座を作れば良いと思われるかもしれませんが、パスポートのみで口座を開設出来るか不安でしたし(直接現地銀行に電話して開設可能であることを確認しました)、口座開設後には日本のSMBC信託銀行から現地口座へ送金する必要があるため、事前に日本でSMBC信託銀行を開設して日本円の入金とドルへの換金、米国口座を開設次第なるべく早期の送金を希望する旨を伝えるなど、日常臨床をしつつ渡米の準備をしていると毎日が風のように過ぎていきました。
荷作りも念入りに行って渡米したつもりですが、写真のように荷物の移動が大変で、筋トレをしているような感覚でした。
渡米後はホテルに数日滞在し、その間に銀行口座開設とアパート契約を行いましたが、日本での下準備のお陰でスムーズに入居し、電気?ガス?水道のセットアップまで無事にたどり着くことが出来ました。
ここからの大きな188足球直播_篮球比分¥体育官网は家具のセットアップと、車の購入および免許の取得です。
家具の購入はたまたま割り引きセールをしていたIKEAと、Amazon USA、また丁度帰国のタイミングだった同じラボの先生からお譲り頂くなど、様々な手段を組み合わせました。
少し話がそれますが、セットアップに並行して週末は日常生活のためのスーパーマーケット巡りや、交流目的のBBQに参加しました。その際に、陳列されている商品や自動販売機、またBBQの肉など、米国は日本と比較してサイズが大きなものが多いことに改めて気づきました。ふとした風景や出来事が新鮮で、大変なセットアップの息抜きになっていました。
続いて車の購入は、米国銀行を開設したその足でいくつかの店を回りました。スタンフォード大学は敷地が広く、日本の渋谷区ほどと言われています。そのため車があればスタンフォード大学までの通勤はもちろん、学内移動の際にも利便性が上がるため、購入を勧められました。中古専門店は安価な価格設定だったのですが、買ってすぐに壊れても保証がなかったことと、リセールに出すことを考慮し、米国で人気が高く、古すぎない車を購入することにしました。どの販売店でもTOYOTAが一番人気と教わり、安全面も考慮してTOYOTAディーラーでタイミング良くセールになっていた中古車を購入しました。車両保険は国際免許しかない場合は利用可能な保険が限られており、車はすぐに受け取りが可能だったため、日本語対応の保険に即決しました。
これで安心と思いきや、セットアップで最大の難関とされる現地免許の取得が待っていました。カリフォルニア州の場合、国際免許の有効期限が短く、早期に現地の免許を取得することが求められています。そこで早速筆記試験を免許センターで受験し(近年はオンラインで受験することも出来ます)、その後実技試験を最速で予約して、何とか現地免許証を取得することが出来ました。私の安堵の表情から見て取れるように、左ハンドル?右側通行?赤信号でも一時停止すれば右折可能?スピード表示がマイルであること、さらに実技試験当日がハロウィーンと被り、試験官がワンダーウーマンのコスチュームで登場し試験に集中するのがとにかく大変でしたが、無事に取得することが出来ました。
この間にソーシャルセキュリティーナンバー(米国での社会保障番号;クレジットカード申請などに必要)の取得に加え、リアルID(米国での身分証明書;米国内線がパスポートなしでOK)を免許証に登録してもらい、生活環境が概ね整いました。
第一報では米国留学のセットアップに関してご紹介させて頂きました。少しでも参考になればと思い、詳しめに書いたつもりですが、最後までお読み頂いた皆様に感謝を申し上げます。今回肝心の研究生活には触れておりませんが、毎日研究に励んでおりますのでまた機会があればご共有させて頂きたいと思います。
それではスタンフォード大学医学部前からお別れしたい思います。
ありがとうございました。
2024/01/07