研修医?学生の方へIntern / Student

指導医?専門医からのメッセージ

周産期(母体?胎児)専門医

准教授 永井 立平 
(2001年 188足球直播_篮球比分¥体育官网医学部卒)

周産期(母体?胎児)専門医とは

周産期(母体?胎児)専門医とは周産期医療に従事する医師の水準を高め、高度な医学知識と技能によって他の医師に適切な指示を与えることができる臨床能力を有する専門医と位置づけられています。具体的には、ハイリスク妊娠、ハイリスク分娩に対応可能な知識、診療技能を有し、医療倫理に基づく適切な診療態度を取ることが可能な医師とされます。また、専攻医、看護師、医学生、看護学生への教育体験を計画し、臨床的もしくは実験的研究計画を作成、実施し学会発表や学術論文を発表するなど研究、教育にも携わることが求められます。
基本ユニット 日本周産期?新生児医学会HPを参照)
  1. 周産期医療体制(チーム医療、地域化、母体搬送、新生児搬送、バックトランスファー)
  2. 新生児医学(健常新生児と病的新生児の識別、ハイリスク新生児の病態)
  3. 正常妊娠?胎児?分娩?産褥の生理
  4. 妊娠?胎児?分娩?産褥の異常(病態についての理解と診断、治療)
  5. 家族指向型医療(母子相互作用及び家族環境の確立)
  6. 生命倫理
  7. 教育
  8. 研究
  9. アドボカシー

周産期専門医の特徴

妊娠および胎児の生理は未だ解明されていないことが多く、病態が未解明な疾患が多く存在します。また、妊婦や胎児の病状は個体差が大きく経過は千差万別であり予後の予測や治療介入のタイミング、方法決定は簡単ではありません。一方で超音波検査機器の進歩や次世代シークエンサーの登場、新薬の開発など周産期を取りまく医療技術の進歩にはめざましいものがあり、新たな診断方法や治療方法の登場をリアルタイムで経験出来る醍醐味があります。周産期は、生命の神秘を解き明かし、未知なる領域に挑戦するドキドキを感じることが出来る大変興味深い専門領域です。一方で、エビデンスの確立した治療方法が無い場合や、治癒困難な病状に遭遇することもまれでは無く、医療の限界を嫌というほど思い知らされる専門領域でもあります。

取得までの道のり

私が周産期専門医を志した頃は現在のようにインターネットなどの情報取得手段が発達しておらず、また周囲に周産期を専門とする先達があまり存在して居なかったことから、独学で情報収集せざるを得ず、そういった意味では苦労したかもしれません。しかし、在るものを工夫しながら形にする楽しさや、他地域の先達であるスペシャリストらと交流することでかけがえのない人的交流を持つことが出来たなど、必ずしも苦労だけでは無く、大変だった反面苦労した出来事はさまざまな事に応用可能であり、現在の自分の糧になっていると感じています。
これから専門医を目指す
後輩たちへひとこと
どのような分野に進んでも是非、未知なる課題に挑戦する心意気を持ち続けて欲しいと思います。周産期領域にかかわらず医療においては探究心が大きな原動力になると思います。実際には失敗ばかりで報われないことの方が多いですが、その分得る者があったときの喜びは大きく、苦労したことで後悔したことは未だかつてありません。ライフワークを見つけることは大変ですが幸せなことだと思います。私もまだまだ道半ばですが、多くの人にこの楽しさを知って欲しいと思います。

腫瘍専門医

講師 牛若昂志 
(2009年 188足球直播_篮球比分¥体育官网医学部卒)

婦人科腫瘍療専門医とは

公益社団法人日本婦人科腫瘍学会認定の婦人科腫瘍専門医は、女性性器がんの予防?診断?治療等を包括的に行い女性の健康管理?増進に寄与することを目的に、婦人科腫瘍に関する十分な専門的知識と技量を有する医師を育成するために作られた資格です。産科婦人科専門医取得後の4つあるサブスペシャリティの内の1つです。

婦人科腫瘍専門医は,あらゆる女性性器がんおよびその合併症を適切に処置し,また他の医師よりのコンサルテーションに対処できる医師です。また、女性性器がんの広汎な手術手技に精通しているだけでなく、骨盤外科一般の経験も有し、また放射線治療,がん薬物療法,緩和医療等に関する知識と経験も有しています。女性性器がんの予防,診断,治療を行い,またこれらに関する教育や臨床研究等を通じて女性の健康増進に寄与することが,専門医の責務とされています。

(日本婦人科腫瘍学会 専門医制度規則より 一部改変)

婦人科腫瘍専門医の特徴

婦人科悪性腫瘍の治療は、手術、放射線、化学療法、緩和医療です。また、そのすべてを婦人科腫瘍医が主治医として担当します。。最近は、多くの分子標的薬が承認され、複雑になった治療や合併症の対処も求められます。勉強は尽きないですが、非常にやりがいがあり、すべての女性の味方になることが可能です。

 手術では、女性の複雑な骨盤底解剖を理解し、帝王切開後の緊急での子宮全摘術や内膜症などの癒着により正常解剖が偏位している困難症例の時には婦人科腫瘍専門医との手術が望ましいとされています。最近では、腹腔鏡やロボットでの婦人科悪性腫瘍の手術が開始されていますが、その治療チームには婦人科腫瘍専門医が必要です。

 婦人科では妊孕性温存治療が求められます。温存可能なのか、エビデンスと患者さんの状態?希望をしっかりと把握して、患者さんと一緒に悩んで相談していく姿勢が必要です。難しい決定ですが、患者さんが満足した治療をできたときの喜びがあります。

取得までの道のり

産科婦人科専門医を取得後に、3年間修練施設での研修を通じて、婦人科腫瘍に関する十分な専門的知識と技量を習得することが必要です。産婦人科専門医取得後に3年間の修練施設での修練、手術症例も含めて多くの症例経験が必要です。それゆえに取得後は確実に自分の力がついていることが自覚できます。
(図1)婦人科腫瘍専門医図1
公益社団法人 日本婦人科腫瘍学会 (jsgo.or.jp)を参照

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これから専門医を目指す
後輩たちへひとこと

婦人科悪性腫瘍の治療は、診断?治療?その後のフォローや緩和まで患者さんの生涯に寄り添っていく仕事です。緩和での看取りや妊孕性温存をあきらめる際など、患者さん?家族にとってつらい経験を支えることもあります。だからこそ、患者さんが治って元気になったとき、温存した患者さんが妊娠出産したときも一緒に喜べます。

 婦人科腫瘍専門医取得後、もしくは修練中には、その他の資格も取得可能です。手術が好きな先生は産婦人科内視鏡技術認定やロボット手術資格の取得などを、化学療法などが好きな先生はがん治療認定だけでなく、がん薬物療法専門医の取得を目指す事が出来ます。また、ゲノム医療や遺伝診療などにたけた遺伝性腫瘍専門医や人類遺伝専門医なども取得ができます。

 婦人科腫瘍学会へは最近女性の入会が増えています。もともと産婦人科自体女性の多い職場ですが、周産期に比べ緊急が少なく、ある程度仕事を予定してできる事、ワークライフバランスによっては、外来診療をベースするなど、多様な対応が可能です。

高知県は、まだまだ婦人科腫瘍専門医が足りません。一緒に高知県の女性を守ってくれる先生を待っています。

生殖医療専門医

助教 都築たまみ 
(2007年 188足球直播_篮球比分¥体育官网医学部卒)

生殖医療専門医とは

生殖補助医療が始まった1980年代は、この治療をおこなえるのは大学病院や、大病院のような先端的な医療が可能な施設のみでした。しかし、技術が安定し、培養のための器具や試薬が一般化したことから、現在わが国においては、全国のどこの病院やART専門クリニックで治療を受けても、大きな違いがないレベルまで不妊治療は発展してきています。
 日本産科婦人科学会では、生殖補助医療を行っている施設(生殖補助医療実施医療機関)の一覧を毎年発表しています(http://www.jsog.or.jp/public/shisetu_number/)。また、日本生殖医学会では、生殖医療を専門とし資格を持つ医師(生殖医療専門医)を認定しています。

生殖医療専門医の特徴

日本生殖医学会では、生殖医療における広い知識、練磨された技能と高い倫理性を備えた医師を養成し、更に生涯にわたる研修を推進することによって生殖医療の水準を高めることを目的として、生殖医療専門医制度を設けています。主に不妊症?不育症を扱う分野であり、婦人科疾患だけではなく、生殖生理や遺伝、悪性腫瘍など、幅広い分野の生殖に関わる部分の知識が必要になります。

取得までの道のり

苦労したことではないが、国内留学をさせていただきたくさん症例を経験することができ、同じ時期に専門医を取る先生方と知り合えたので情報共有ができて良かったと思います。
これから専門医を目指す
後輩たちへひとこと
不妊治療が保険適応にもなり、不妊治療を希望する患者は増加傾向です。またがん治療前の妊孕性温存療法など難しい症例も増えてきています。希望した結果が得られることも得られないこともあります。不妊治療はそれを求める人たちに健やかな赤ちゃんを抱っこさせてあげることが目標ですが、そこに至らなかった場合にもその経験を乗り越えられるよう寄り添い、1カップルでも多く希望が叶うよう知識と技術を高めていくことを怠らない、そういう医師を目指していただければと思います。

女性ヘルスケア専門医

医員 橋元 粧子 
(2005年 自治医科大学卒)

女性ヘルスケア専門医とは

一般社団法人日本女性医学学会が医師を女性医学の分野における専門家として基本的知識と技能を認定し、その水準を向上させることを目的とし、より充実した女性の生涯にわたるヘルスケアの普及を図ることや、学術集会やワークショップ等の参加する目的を明確化し意識の向上を図ることを意義としています。日本女性医学学会に3年以上継続して入会している、基本領域(産婦人科等)専門医を取得後3年以上、認定研修施設において週に7時間以上女性ヘルスケアの診療に従事している、研修単位の取得、論文発表等の要件を満たせば申請資格が得られ、専門医認定試験に合格すると専門医として認定されます。

各分野の特徴

女性ヘルスケア分野は多岐にわたり、思春期、成熟期、更年期、老年期とすべての世代における女性の心身のQOL維持向上のために予防医学から治療まで幅広く診療しています。思春期以降の月経不順や月経困難症、月経前症候群、また自然の更年期症候群のみならず、医原的閉経(卵巣摘出後、各種治療による卵巣機能欠落)によるさまざまな疾患や症状にも対応しています。女性ホルモン低下による骨粗鬆症の予防や治療、生活習慣病の一次予防にも力を入れています。また、がんサバイバー女性のQOL向上にむけて他科とも連携しながら一人一人にあわせた対応を行っています。

専門医取得を振り返って苦労したこと

専門医認定試験ではカバーする分野が広く、診療経験の少ない分野の知識を得るのに苦労しました。試験勉強を通して女性医学の奥深さを再認識するとともに知識が整理でき、普段の診療に還元できたと思います。
これから専門医を目指す
後輩たちにひとこと
女性医学(女性ヘルスケア)は周産期?腫瘍?生殖内分泌それぞれの分野に関連し、女性を総合的に診ることができる分野です。まだ専攻するサブスペシャリティを決めていない場合でも、女性医学を勉強することでそれぞれの分野をスキルアップできると思います。生涯にわたる女性の健康をサポートできる大変意義のある分野でもあり、ぜひ興味を持って勉強していただきたいと思っております。

臨床遺伝専門医

客員教授 泉谷 知明 
(1993年 188足球直播_篮球比分¥体育官网医学部卒)
准教授 永井 立平 
(2001年 188足球直播_篮球比分¥体育官网医学部卒)

臨床遺伝専門医とは

遺伝医学研究の進展に伴い、今や遺伝情報は医療において欠かすことのできないものとなっています。臨床遺伝専門医は、あらゆる分野の診療において、質の高い遺伝医療を提供する医師であり、次項の能力を有することが求められます。
  1. 遺伝医学についての広範な専門知識を持っている。
  2. 遺伝医療関連分野において、単独で、あるいはそれぞれの診療科?部署と連携して、専門的検査?診断?治療を行うことができる。
  3. 遺伝カウンセリングを行うことができる。
  4. 遺伝学的検査について十分な知識と経験を有している。
  5. 遺伝医学研究の十分な業績を有している。
  6. 遺伝医学教育を行うことができる。
臨床遺伝専門医は、制度開設当初(1991年)より、上記能力を有することが期待されてきましたが、この30年の間に遺伝医療の姿やそれを取り巻く状況は大きく変化しました。扱われる遺伝情報は、単一遺伝子からより網羅的なゲノム情報へと広がり、特定の診療科に限らず、あらゆる診療科において通常の医療情報の一つになってきました。しかし、遺伝情報は、それ自身がもつ特性ゆえに、医学的課題だけではなく、倫理的?法的?社会的課題(ELSI)も生じうることは、時代を経ても変わることはありません。どの時代にあっても、臨床遺伝専門医は、患者さんやご家族に適切な遺伝医療を提供し、すべての人々が健全にゲノム情報を活用できる社会を築くことを目指して行動します。

臨床遺伝専門医の特徴

産科婦人科には大きく分けて4つのサブスペシャリティー領域(周産期、腫瘍、生殖内分泌、女性ヘルスケア)がありますが、近年はそのすべてにおいて遺伝医学の知識が必要になってきています。どこまで専門性を持って取り組むかによって関わり方はさまざまですが、治療の選択肢を考える上で外すことの出来ない領域であることは間違いありません。
人類遺伝学に関する学術研究および医療の進歩ならびに知識の普及を図り、人類の健康と福祉の向上に寄与することを目的に『人類遺伝学会』が、またひろく遺伝医学の進歩?発展と普及をはかると共に、広く国民の要望に応え、臨床遺伝学研究と適切な遺伝カウンセリングの実践を通して、医療と福祉の向上に寄与することを目的に『日本遺伝カウンセリング学会』が設置され、2つの学会の共同認定専門医として臨床遺伝専門医が規定されています。
臨床遺伝専門医には、小児期や成人期など産科婦人科以外の領域についての遺伝医学の知識も求められるため、多忙な産科婦人科医にとてはハードルの高い専門医であることは否めません。一方で遺伝医療は産科婦人科領域において極めて身近な存在でもあり、実臨床でのハードルはむしろ殆ど無いと言っても過言ではありません。そこで、遺伝医学の中で特に産科婦人科領域に関わる疾患を扱う学術団体として『日本産科婦人科遺伝診療学会』が設立され、産科婦人科領域に特化した遺伝医学についての情報共有が行われています。

取得までの道のり

私は周産期医療、おもに出生前診断に関わりはじめてから遺伝医学の世界に足を突っ込みました。出生前診断を正しく理解し対応するためには遺伝医学の知識が必要だと感じる機会が多々あったからです。当時はまだ『産科婦人科遺伝診療学会』が発足しておらず、『人類遺伝学会』と「遺伝カウンセリング学会』しかなかったためやむなく(?)臨床遺伝専門医を志すこととなりました。忙しい実臨床を行いながら遺伝医学を学ぶことは簡単ではありませんでしたが、学ぶことで今まで分かっていなかったヒトの「多様性」と「唯一性」について考えることが出来、今の自分の診療姿勢に大きな影響を与えていると感じています。ハードルは決して低くはありませんが非常に興味深い専門領域だと思います。
これから専門医を目指す
後輩たちへひとこと
まずはヒトの仕組みと成り立ちを「不思議だな」と思うところからのスタートで良いと思います。産科婦人科はどの領域においても遺伝医学に日常的にふれあうこととなります。その過程で自然と「もっと知りたい」と思うに違いありません。知的探究心を満たすこともそうですが、自分自身の足下を確認する作業も楽しいものです。是非一緒に学んでいきましょう。

超音波専門医

准教授 永井 立平 
(2001年 188足球直播_篮球比分¥体育官网医学部卒)

超音波専門医とは

超音波専門医とは超音波を用いた医療全般についての高度な知識と技術を身に付け、超音波を用いた診療(検査、治療)に指導的な立場で従事することのできる、以下の要件を満たす医師のことをいいます。
  1. 超音波を用いた医療を行う医師としてふさわしい人格を有している。
  2. 超音波を用いた医療についての研究?発表を行うことができる。
  3. 超音波を用いた医療について適切な助言、指導、教育を行うことができる。
  4. 以下の全領域にわたり、超音波を用いた医療について基礎的な知識?技術(必修知識?技術)を習得している。
    ア) 循環器 イ) 消化器 ウ) 腎?泌尿器 エ) 産婦人科 オ) 乳腺
    カ) 甲状腺 キ) 眼科 ク) 運動器 ケ) 脳神経 コ) 呼吸器

超音波専門医の特徴

産科婦人科領域では周産期はもちろんのこと、生殖内分泌、腫瘍、女性ヘルスケアどの分野においても超音波検査診断装置は無くてはならない医療機器です。
超音波検査は、画像診断検査の中で最も被験者への侵襲が少なく、施設における普及率が高く、リアルタイムに近い状態で観察可能なこと、任意の断面が確認出来ること、産科婦人科領域においては解像度はMRI、CTを凌ぐこと、患者と画像を共有しやすいこと、など対象とする臓器が胎児や子宮?卵巣である産科婦人科にとって最も適した画像診断装置と言えます。また、経時的に繰り返し評価することで病状の変化や機能的評価も可能という特徴があります。一方で描出される画像は検者の力量と主観性に寄るところも大きく、客観性に乏しく(と評価されることがある)一定の技術と慣れを要します。また、条件によっては観察できな断面が存在するという弱点もあります。メリットとデメリットを押さえて使用することで多くの情報を得ることが出来る優れたモダリティであり、産科婦人科診断にいて欠かすことが出来ない検査診断装置です。

取得までの道のり

産科婦人科領域では上述のように日常的に超音波検査診断装置を扱いますが、使用方法が簡便で初心者でも簡単に扱える(様な気がしているだけかもしれません)ため、日本超音波医学会に所属し超音波専門医を所有する産科婦人科医は実は非常に少ないです。私自身も、産科婦人科専門医になるまで超音波専門医の存在を知りませんでしたが、学会等で真の周産期のスペシャリスト達の美しい超音波検査画像を見たときに、今まで自分が見てきた超音波検査画像とのあまりの格差に愕然としたことを覚えています。超音波機器の原理、特徴を知らずして優れた診断は出来ないのだと言うことを思い知りました。数学?物理が大の苦手な私にとっては非常に苦しい専門医試験でしたが、産科医としての幅を拡げてくれる専門医資格だと思います。
これから専門医を目指す
後輩たちへひとこと
教科書などで目にする美しい超音波検査画像は、無数の採用されなかった画像のうえに成り立つチャンピオンデータであることは間違いありません。毎回あんなにきれいな画像は撮れませんし、時間をかけたから撮れるわけでもありません。しかし、こだわりを持ち粘り強くトライしないと撮れないのもまた事実です。自分ではうまく撮れたと思っても他人からの評価がイマイチな事も多く心が折れることもしばしばですが、誰からも文句を言わせないくらい素晴らしい画像を撮れたときにはなんとも言えない達成感があります。良い画像を描出することは正しい診断と患者さんへの還元がもちろん基本になりますが、写真撮影や楽器を演奏するなど趣味的な要素も大切かもしれません。とことんこだわりを持って原理から実践まで突き詰めていく探究心は、人間にだけ与えられた大切な能力では無いかと思います。是非一緒にトライしてみませんか。

腹腔鏡技術認定医

客員教授 泉谷 知明 
(1993年 188足球直播_篮球比分¥体育官网医学部卒)

腹腔鏡技術認定医とは

内視鏡手術は閉鎖された空間で繊細な周辺機器を用いて行う手術であり、機器に対する十分な知識と高度な技術が求められます。日本産科婦人科内視鏡学会技術認定制度は、産婦人科領域における内視鏡手術に携わる医師の技術と知識を評価し、内視鏡手術を安全かつ円滑に施行する技量と内視鏡手術の指導者としての資質を有する者を認定し、本邦産婦人科領域における内視鏡手術の発展と普及を促し、さらには国民の健康維持に寄与することを目的としております。

各分野の特徴

腹腔鏡手術は、腹腔内を内視鏡で観察しながら、鉗子やエネルギーデバイスを用いて行う手術です。腹腔鏡手術では、3-4カ所の1-2cm程度の小さな創で手術を行います。開腹手術と比べて創が小さいため、手術後の回復が早く、早期退院?早期社会復帰が可能となります。
婦人科における腹腔鏡手術は、卵巣嚢腫や子宮筋腫、子宮内膜症などの良性疾患から始まりました。1990年代に保険適用となり、今では婦人科良性疾患の手術の大部分が腹腔鏡手術で行われております。悪性疾患では、2014年に早期子宮体がんに対する手術が保険適用となり、2018年には子宮頸がんに対する手術も保険適用となりました。
当科では、(婦人科腫瘍専門医と腹腔鏡技術認定医が連携し)早期子宮体癌に対する腹腔鏡手術を実施しております。
これからサブスペシャリティを目指す
後輩たちへひとこと
技術認定を取得するには、100症例の経験が必要です。さらに、手術動画による審査があります。
ただし、技術だけでなく、知識も問われ、腹腔鏡に関する学会発表や論文が必要となりますので、腹腔鏡のトレーニングとともに学問的な研鑽を積むことも大切です。